アンドルーズ(その他表記)Andrews, Dame Julie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

アンドルーズ
Andrews, Dame Julie

[生]1935.10.1. ウォルトンオンテムズ
イギリスの映画・舞台・ミュージカル女優。本名 Julia Elizabeth Wells。透きとおるように美しい 4オクターブの歌声と演技力によりミュージカルスターとなった。ピアニストの母と歌手の義父が出演していたミュージックホールのショーに加わり 10歳のときから人前で歌い始めた。1947年ロンドンでソロ歌手としてデビュー。1954年ブロードウェーで初舞台を踏んだ。1956年ミュージカルの名作『マイ・フェア・レディ』My Fair Ladyの主役イライザを演じて高く評価された。1964年に映画化された際はイライザ役を逃したが,同じ年にウォルト・ディズニー制作の『メリー・ポピンズ』Mary Poppinsで映画デビューを果たし,アカデミー賞主演女優賞に輝いた。『サウンド・オブ・ミュージック』The Sound of Music(1965)では家庭教師マリアを演じてアカデミー賞主演女優賞候補になった。伝統的なミュージカル映画の人気が衰退した 1960年代後半以降は幅広い役柄に挑戦し,1970年に結婚した夫ブレーク・エドワーズ監督のコメディ『テン』10(1979)で助演女優として再び脚光を浴びた。エドワーズ監督作品『ビクタービクトリア』Victor/Victoria(1982)では再びアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。2000年デイムの称号を授与された。

アンドルーズ
Andrews, Frank Maxwell

[生]1884.2.3. ナッシュビル
[没]1943.5.3. アイスランド
アメリカ合衆国の陸軍軍人。 1906年陸軍士官学校卒業。 1917年新設された陸軍航空隊に配属され,第1次世界大戦末には陸軍中佐に昇進。 1935年航空司令部が新設され司令官となる。戦争における爆撃の重要性を主張し,ボーイングB-17をはじめとする長距離爆撃機の開発から,戦略爆撃の進歩に貢献。 1941年陸軍中将,1943年ドワイト・アイゼンハワー将軍の後任として在欧アメリカ軍総司令官に就任。飛行機事故で死亡。

アンドルーズ
Andrews, Charles McLean

[生]1863.2.22. コネティカット,ウェザースフィールド
[没]1943.9.9. ニューヘーブン
アメリカの歴史家,教育者。ブリンマー,ジョンズ・ホプキンズ,エール各大学の教授を歴任。アメリカの植民地時代の歴史,制度に関する権威として知られ,「帝国学派」の代表的歴史家。主著"The Colonial Background of the American Revolution" (1924,31) ,"The Colonial Period of American History" (全4巻,34~38) 。

アンドルーズ
Andrewes, Lancelot

[生]1555. ロンドン
[没]1626.9.25. ロンドン
イギリスの神学者,ウィンチェスターの主教。イギリス国教会の神学の確立に貢献した。博学で 15ヵ国語を駆使したという。『欽定英訳聖書』 (1611) 翻訳グループの長として活躍,モーセの五書,歴史書を担当した。『説教集』の文体は T.S.エリオットによって高く評価された。

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改訂新版 世界大百科事典 「アンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

アンドルーズ
Thomas Andrews
生没年:1813-85

臨界温度の存在を明らかにしたイギリスの化学者。北アイルランドベルファストの生れ。化学および医学を学び,1835年,エジンバラ大学で医学博士の学位を取得,ベルファストで開業し,同時にベルファスト大学の化学教授を務めた。45年,クイーンズ・カレッジの副学長に就任,79年まで化学教授を兼任し,1849年にはローヤル・ソサエティ会員に選ばれた。

 金属の不動態,中和熱などの熱化学,オゾンの分子構成の研究を行った後,61年以降,気体の状態変化に関する実験的研究に進み,精巧な実験を通じて,炭酸ガスが約31℃以上の温度ではどんなに圧縮しても液化しないことを発見した。この事実から,彼はどんな気体にも圧縮によって液化が可能な上限の温度が存在すると考え,この温度を臨界温度と名付けた。その成果は69年の論文に集約され,従来,液化しないと考えられていたため永久気体と呼ばれていた酸素,水素などの液化に道を開くとともに,状態方程式や相平衡などの理論的研究に重要な契機を与えた。
液化 →気体
執筆者:


アンドルーズ
Charles McLean Andrews
生没年:1863-1943

アメリカの歴史家。植民地時代のアメリカ史を研究し,20世紀前半の帝国学派に属する。処女作《コネティカットの川沿いのタウン》(1889)をはじめとするニューイングランド地方史研究のほか,《近代ヨーロッパの歴史的発展》2巻(1896-98)を著し,代表作《アメリカ史の植民地時代》4巻(1934-38)では,北米13植民地の歴史をイギリス帝国全体のなかに位置づけた。1910-31年イェール大学アメリカ史教授を務めた。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

アンドルーズ(Charles McLean Andrews)
あんどるーず
Charles McLean Andrews
(1863―1943)

アメリカの歴史家。2月22日コネティカット州ウェザーズフィールドに生まれる。1889年ジョンズ・ホプキンズ大学で博士号を取得し、ブリン・モア大学準教授、教授を経て、ジョンズ・ホプキンズ大学教授(1907~1910)、エール大学教授(1910~1931)を歴任。1925年にはアメリカ歴史学会会長を務めた。初期にはイギリス史、ヨーロッパ史、現代史の著作を書いたが、第一次世界大戦以降イギリス領アメリカ植民地時代史を研究対象とし、『ボストン商人と不買運動』(1917)、『アメリカ独立革命の植民地的背景』(1924)のあと、植民地をイギリス帝国の一環としてとらえる、いわゆる「帝国学派」の立場に立って、『アメリカ史の植民地時代』(4巻)を刊行(1934~1938)し、1935年にピュリッツァー賞を受賞した。1943年9月9日死去。

[富田虎男]


アンドルーズ(Thomas Andrews)
あんどるーず

アンドリュース

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「アンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

アンドルーズ

英国の物理化学者。グラスゴー,パリなどで化学を学んだ後,エディンバラで医学を修め,生地ベルファストで開業。1845年同地のクイーンズ・カレッジの副校長兼化学教授となる。炭酸ガスなど気体の液化について研究し,臨界温度,臨界圧(臨界圧力参照)を発見。ほかに反応熱やオゾンについての研究がある。

アンドルーズ

米国の動物学者,探検家。アメリカ自然史博物館アジア探検隊長として内陸アジアの各地を踏査,この間にゴビ砂漠で初めて恐竜プロトケラトプスの卵の化石を発見した。

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367日誕生日大事典 「アンドルーズ」の解説

アンドルーズ

生年月日:1863年2月22日
アメリカの歴史家,教育者
1943年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアンドルーズの言及

【熱量計】より

…この熱量計は,試料を密閉耐圧容器(ボンベ)中で高圧酸素のもとで完全燃焼し,その熱をボンベの周囲の水に伝え,水の温度上昇と質量から熱量を測定する。ボンベ熱量計のボンベは1848年アンドルーズT.Andrewsにより考案されてからベルトロP.E.M.Berthelot,パールS.W.Parrなどの改良を経て現今に至っている。現在ではその材質として18‐8クロムニッケル鋼,モネルメタル,インコネルなどが用いられ,燃焼時の変圧および試料中の硫黄分などの燃焼によって生成する酸の腐食に耐えるよう考慮されている。…

【熱量計】より

…この熱量計は,試料を密閉耐圧容器(ボンベ)中で高圧酸素のもとで完全燃焼し,その熱をボンベの周囲の水に伝え,水の温度上昇と質量から熱量を測定する。ボンベ熱量計のボンベは1848年アンドルーズT.Andrewsにより考案されてからベルトロP.E.M.Berthelot,パールS.W.Parrなどの改良を経て現今に至っている。現在ではその材質として18‐8クロムニッケル鋼,モネルメタル,インコネルなどが用いられ,燃焼時の変圧および試料中の硫黄分などの燃焼によって生成する酸の腐食に耐えるよう考慮されている。…

【臨界状態】より

…しかし,酸素,窒素,水素などの気体は,常温の下ではどんなに圧力を加えても液化しなかった。その後60年代にイギリスのT.アンドルーズが,炭酸ガスが31℃以上の温度では,どんなに加圧しても液化しないことを発見して臨界点の存在に気づき,臨界点が一般的なものであることがわかってくるとともに,それまで液化できなかった気体が次々と液化されるようになった。なお,固体と液体の間にも臨界点があるかどうかは,現在のところ理論的には不明であり,実験によっても発見されていない。…

※「アンドルーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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