ピュリッツァー賞(読み)ピュリッツァーショウ(英語表記)The Pulitzer Prize

デジタル大辞泉 「ピュリッツァー賞」の意味・読み・例文・類語

ピュリッツァー‐しょう〔‐シヤウ〕【ピュリッツァー賞】

米国文学賞新聞賞。新聞人ジョーセフ=ピュリッツァー(Joseph Pulitzer)の遺産により1917年に制定され、毎年ジャーナリズム文学音楽の分野ですぐれた仕事をした人に贈られる。ピューリッツア賞

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ピュリッツァー賞」の意味・読み・例文・類語

ピュリッツァー‐しょう‥シャウ【ピュリッツァー賞】

  1. 〘 名詞 〙 アメリカの新聞経営者ジョセフ=ピュリッツァーの遺志により、一九一七年に創設された文化賞。新聞(論説ニュースなど八部門)、文学(小説・演劇など五部門)、音楽の各分野で、その年のすぐれた業績に与えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピュリッツァー賞」の意味・わかりやすい解説

ピュリッツァー賞
ぴゅりっつぁーしょう
The Pulitzer Prize

アメリカの新聞王J・ピュリッツァーの遺言により、ジャーナリストの資質向上を目的としてコロンビア大学に1912年ジャーナリズム学部が設けられたのと連動して、1917年に創設された賞。ジャーナリズムのみではなく文学、音楽の各カテゴリーを対象とし、さらにそれぞれいくつもの部門に分けて、コロンビア大学内に置かれた委員会が選考にあたり、例年5月に授賞式がある。ジャーナリズムの公益部門の授賞者には金メダルのみが、それ以外の部門の授賞者には賞状賞金が授与される。賞金は時代によって推移しているが、2024年時点ではそれぞれ1万5000ドルとなっている。

 同賞の対象となるのは、アメリカ国内での諸活動ではあるが、ジャーナリズム部門ではアメリカでの掲載や発表さえあれば外国人も受賞の機会があり、1942年に新設された報道写真の部門で、1961年に当時毎日新聞社の写真部員であった長尾靖(やすし)(1930―2009)が「浅沼社会党委員長刺殺事件」の写真で日本人初の受賞を果たした。ベトナム戦争に取材した写真で1966年に沢田教一が、1968年には酒井淑夫(としお)(1940―1999)が受賞している。

 ピュリッツアー賞は、ジャーナリストのノーベル賞ともいわれる栄誉ある賞である一方、受賞目的の記事捏造(ねつぞう)発覚などのスキャンダルにみまわれたこともある。

[平木 収]

『J・ホーヘンバーク著、天野景司訳『ピューリッツア賞物語』(1970・産業能率短期大学出版部)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ピュリッツァー賞」の意味・わかりやすい解説

ピュリッツァー賞【ピュリッツァーしょう】

米国の新聞経営者ピュリッツァーの遺言により設けられた賞。ジャーナリズム12,文学6,音楽の計19部門に分かれ,大衆のためになる米国人の作品に与えられる。コロンビア大学新聞学科に選定委員会が置かれ,1917年以来毎年授賞。受賞者にJ.レストン,W.リップマン,P.バック,A.ミラーなど。
→関連項目アイブズアボットセーガンボールドウィンワシントン・ポスト

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピュリッツァー賞」の意味・わかりやすい解説

ピュリッツァー賞
ピュリッツァーしょう
Pulitzer Prize

アメリカ合衆国の報道,文学,音楽の各分野におけるめざましい公益への貢献や業績に対して贈られる賞。コロンビア大学が毎年授与しており,あわせて奨励金部門の選考も行なわれる。新聞王ジョーゼフ・ピュリッツァーによる 50万ドルの寄付を基金として創設された権威ある賞で,1917年以来,毎年 5月に授与される。受賞者の選考は,コロンビア大学が任命する審査員からなる理事会の推薦により行なわれる。部門や受賞者数は年々変化してきたが,近年は報道部門 14,文学部門 6,音楽部門 1,奨励金部門 4となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のピュリッツァー賞の言及

【ピュリッツァー】より

…新聞記者の向上を願って彼は1903年,コロンビア大学に100万ドルを寄贈,同大はこれに基づき12年に新聞学部School of Journalismを発足させた。【香内 三郎】
[ピュリッツァー賞The Pulitzer Prize]
 J.ピュリッツァーがコロンビア大学に遺贈した50万ドルを基金に,1917年から毎年5月に,大衆に推奨できるアメリカ人の作品に贈られる賞。ジャーナリズム12部門(賞金各1000ドル),文学6部門,音楽1部門を対象とする。…

※「ピュリッツァー賞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android