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イオン注入 イオンちゅうにゅうion implantation

翻訳|ion implantation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イオン注入
イオンちゅうにゅう
ion implantation

ガス状の原子をイオン化し,これに電界を印加して加速し,そのイオンを他の物体に強制的に (非熱平衡状態のもとに) 注入すること。イオン打ち込みともいう。表面などの物性を変化させるのが目的で,この技術を使って半導体不純物イオンを注入してp-n接合をつくったり,また構成原子以外の原子イオンを高濃度に注入することによって母体と異なる物質を合成することも可能である。元来,高速のイオンビームを結晶にたたきつけて打ち込むという方法によるため,それによる結晶格子不整が生じ,たとえばp-n接合の特性向上が難しくなるなど欠点も存在するが,注入後の熱処理によって格子不整濃度の減少をはかることができ,デバイスの特性が改善される。最近では,金属,セラミックス,高分子材料などの表面改質のために,表面層の組成や構造の制御を目的として,いろいろな元素のイオン注入が試みられている。

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知恵蔵の解説

イオン注入

ドナーやアクセプターとなる不純物をイオン化し、加速して半導体基板内に打ち込むことで、不純物を添加する方法。拡散法に比べ、不純物の分布や接合の深さなどを精密に制御できるのが特徴。ただ、打ち込まれた不純物を電気的に活性化したり、半導体の損傷を除いたりするには、あとで熱処理が必要。pn接合の形成やMOSトランジスタの閾値(しきいち)電圧の制御など、LSIの製造にはほとんどこの方法が使われる。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

イオン注入【イオンちゅうにゅう】

集積回路(IC)製造に欠かせない技術。半導体基板に,電子供与体(ドナー)または電子受容体(アクセプター)となる不純物原子をイオン化して加速し,表面から打ち込むこと。
→関連項目イオン工学

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大辞林 第三版の解説

イオンちゅうにゅう【イオン注入】

半導体に不純物を添加する方法の一。不純物をイオン化してビームにし、電気的に制御しながら目的の半導体に注入するので、正確に添加量やその分布を変えることができる。現在の半導体生産技術の中核の一。

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世界大百科事典内のイオン注入の言及

【イオン打込み】より

…イオン注入ともいう。基体材料とは異なる元素のイオンを,数keV~数MeVのエネルギーに加速して基体表面に打ち込み,表面の改質を行う方法。…

【集積回路】より

…(3)特定の種類の元素をウェーハー,または表面の膜中に導入すること。これにはイオン注入と拡散がある。この元素はシリコンに対して異種なので,不純物といわれる。…

※「イオン注入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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