イシグロ

大辞林 第三版の解説

イシグロ【Kazuo Ishiguro】

1954~ ) 日本生まれのイギリスの小説家。作品に、老執事が生涯をふり返る「日の名残り」など。

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百科事典マイペディアの解説

イシグロ

英国の日系人小説家。長崎で生まれ,5歳のときに両親と渡英,以後英国で暮らし,1983年には帰化した。《女たちの遠い夏》(1982年),《浮世画家》(1986年)と順調に認められ,1989年の《日の名残り》では執事の視点から古き良き時代の英国を描いてブッカー賞受賞。近作に《癒されざる者》(1995年)がある。多文化的な背景を持つ作家の活躍が目立つ現代イギリス文学を代表する一人である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イシグロ
Ishiguro, Kazuo

[生]1954.11.8. 長崎,長崎
日本生まれのイギリスの小説家。1960年家族とともにイギリスへ移住。1978年ケント大学,1980年イーストアングリア大学大学院を卒業したのち,ホームレスの支援活動に携わり,その合間に執筆を始める。最初の小説『遠い山なみの光』A Pale View of Hills(1982)は,娘を自殺で失い喪失感にさいなまれる日本人女性の第2次世界大戦後の混乱期の回想。ブッカー賞を受賞した『日の名残り』The Remains of the Day(1989,1993映画化)は,イギリス貴族邸の年老いた執事の一人称視点で語られ,謹厳で堅苦しいふるまいによって周囲の理解や親密な人間関係を拒んできた過去がつづられる。次の小説『充たされざる者』The Unconsoled(1995)は,演奏会のためにヨーロッパの都市を訪れた世界的ピアニストがコミュニケーションと感情の行き違いに翻弄される物語。『わたしたちが孤児だったころ』When We Were Orphans(2000)は 1930年代の日中戦争を背景に描かれた犯罪小説のジャンルに属する作品。2005年に刊行された『わたしを離さないで』Never Let Me Go(2010映画化)では,3人のクローン人間を通じて遺伝工学の倫理的ディレンマに警告を発している。短編集に『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall(2009)。テレビや映画の脚本も手がける。1995年大英帝国四等勲功章 OBE受章。2017年「世界と結びついているという人間の幻想的感覚にひそむ深淵を暴いた」作品により,ノーベル文学賞を受賞。

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