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イルティザーム Iltizām

世界大百科事典 第2版の解説

イルティザーム【Iltizām】

17世紀後半以後,オスマン帝国支配下のエジプト,歴史的シリア,イラク,トルコ,バルカン各地において実施された徴税請負制。イスラム諸王朝における徴税請負制の歴史そのものは古いが,とくにこの名でよばれる制度は,イクター制,ティマール制を基礎とする中世イスラム社会の基本的社会組織を解体させる一因となった。オスマン帝国は,エジプトをのぞく上述の地域に,当初ティマール制とよばれる軍事封土制を適用し,エジプトは全土をあげてスルタン直轄領(ハス)とされた。

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世界大百科事典内のイルティザームの言及

【オスマン帝国】より

…中央では,デウシルメ制が消滅してムスリム出身の書記(カーティブ)層が台頭し,後半には行政の中心がトプカプ宮殿を離れて,大宰相府(バーブ・アーリーBāb‐ı Ālī,Sublime Porte)へ移行した。アナトリア,バルカン,歴史的シリアでは,ワーリー(vali,wālī,旧ベイレルベイ),ムタサッルフ(mutasarrıf,旧サンジャクベイ)が影響力を喪失して代官(ミュテセッリムmütesellim)が地方行政を牛耳り,また,ティマール制は,制度としては存在したが実質を失い,徴税機構は,ミュルテジムmültezimとよばれる請負人による徴税請負制(イルティザーム)に代わった。代官はふつう,当該地域の最大のミュルテジムであった。…

※「イルティザーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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