翻訳|interchange
道路の交差部が立体になっていて、直進する自動車や右折・左折する自動車が交錯することなく、円滑に進めるように連絡路(ランプramp)で結ばれているもの。交通量の多い主要道路や高速道路では、他の道路との交差点が平面交差になっている場合、混雑して交通が渋滞したり、多くの事故が発生する原因となる。とくに高速道路では、平面交差は致命的な欠陥となるため、交差点はすべて立体交差とし、交差部の数箇所に自動車の出入りのできるランプを設けている。したがって高速道路にあるインターチェンジは、一般的に自動車の出入口という意味に考えられているが、インターチェンジの主要部分は、そこに交差する各道路本線とそれを互いに連結するランプである。
交差する道路本線とランプを種々組み合わせることにより、各種のインターチェンジ形式が生じる。インターチェンジの形式は、道路の種類、重要度、交通量、地形条件、用地事情など多くの条件によって定まるものであって、実際にはいろいろな形式とその変形が用いられている。三枝交差部におけるインターチェンジの形式には、トランペット形とY形とがある。四枝交差部(十字交差部)ではダイヤモンド形、クローバリーフ形、不完全クローバリーフ形、ダブルトランペット形、および直結形(ダイレクショナル形)がある。5本以上の道路が交差している多枝交差の箇所にインターチェンジを設けることは、立体交差構造物をいたずらに増やす結果となり、交通流を複雑にさせるだけである。したがって通常は交差箇所を分散させて、1箇所の交差部には4本以上の道路が集中しないようにすべきである。インターチェンジでは自動車の出入りにより本線またはランプで自動車が交錯して流れが乱されないようにし、なるべく短い距離で出入りできるような線形にするのが理想である。このために用地が広く必要となり、構造物の数が増加することになり、建設費がかさむのが問題である。
[吉川和広・小林潔司]
有料道路のインターチェンジには料金所が設置される場合が多いが、料金所には係員が発券、料金の徴収などを行うブース、あるいはETC(ノンストップ自動料金収受システム)などにより自動的に発券・料金徴収を行うブースが設けられている。2005年(平成17)より、高速自動車国道の有効活用や、地域生活の充実、地域経済の活性化を推進するため建設・管理コストの削減が可能なスマートインターチェンジ(ETC専用インターチェンジ)が導入された。スマートインターチェンジは、高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるよう、そうした場所に設置されたインターチェンジであり、通行可能な車両を、ETC機器を搭載した車両に限定している。
[小林潔司]
道路施設の一つで,複数の道路を相互に連絡するための連結路(ランプ)をもつ立体交差部分。道路上で交差,分岐,合流する交通を能率よく安全に走行させるための施設で,一般には高速道路の出入口の呼称として知られているが,一般道路相互の交差,接続部であっても,立体交差し,連結路をもっていればインターチェンジである。高速道路が相互に交差,接続するときも,機能的にはインターチェンジであるが,一般道路への出入口と区別するため,日本の都市間高速道路では,これをジャンクションjunctionと呼んでいる。また都市高速道路の出入口は,並行する街路に昇降する連結路が分散して設置され,一つのまとまった形を形成していないことが多いので,単にランプrampと呼ばれている。高速道路の出入口としてのインターチェンジの設置位置や間隔は,都市の位置,自然地形などの地理的条件や,出入交通量,接続する道路などの交通条件によって決められる。短い場合で3~5km,長い場合で20~25km,平均しておおむね10~15km間隔で設置されている。インターチェンジの形式は数多くあり,交差,接続する道路の性質,交通の量,方向,地形などにより,適当な型が選択される。
執筆者:武部 健一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…アメリカでは完全な出入制限を行った道路をフリーウェーfreewayとも称している。日本の高速道路は1963年7月に開通した名神高速道路の一部区間(栗東~尼崎)が最初であるが,その後に完成した東名高速道路,中央自動車道,東北自動車道なども,一般道路との接続施設であるインターチェンジ以外からは出入りできない,アメリカのフリーウェーに相当する自動車幹線道路である。また首都高速道路や阪神高速道路などもこの概念に入る高速道路である。…
※「インターチェンジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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