ウィルヘルムテル(英語表記)Wilhelm Tell

精選版 日本国語大辞典 「ウィルヘルムテル」の意味・読み・例文・類語

ウィルヘルム‐テル

(Wilhelm Tell) ⇒ウィリアム‐テル

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デジタル大辞泉 「ウィルヘルムテル」の意味・読み・例文・類語

ウィルヘルム‐テル(Wilhelm Tell)

伝説化されたスイス英雄。14世紀初めごろ、スイス独立運動に活躍。弓の名人で、愛児頭上リンゴを弓で射た話は有名。ウィリアムテル

原題、〈ドイツ〉Wilhelm Tellシラー作の戯曲。1804年初演の伝説による。
《原題、〈フランス〉Guillaume Tellロッシーニ作曲のオペラ。全4幕。1829年、パリで初演。1に基づく。序曲が有名。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウィルヘルムテル」の意味・わかりやすい解説

ウィルヘルム・テル
Wilhelm Tell

シラーの完成した最後の韻文戯曲。1804年作。初演は同年3月ワイマール宮廷劇場。ハプスブルク家の支配に反抗するスイス連邦の独立騒動とテルの英雄的行為と平和への熱情賛歌で,シラーはこの題材をチューディの《スイス年代記》(1734-36)と各種のテル伝説から得た。筋は悪代官ゲスラーに対するスイス3州代表のリュートリの同盟,愛児の頭にのせた林檎を一矢で射落とし,ゲスラーの難題をはね返すテル,テルのゲスラー殺害と農民の一斉蜂起と展開するが,シラーはスイスの自然と風俗と言語の研究にもとづくすぐれた情景や人物描写によって,牧歌的で格調の高い民衆の自由の勝利のドラマに仕立て上げた。国民演劇の典型としてドイツ人に愛好され,日本でも明治初期の自由民権運動との関係で多く紹介された。本邦初演は,1905年莚升一座による明治座での巌谷小波翻案・演出《瑞西義民伝》といわれる。なお,ロッシーニ作曲の歌劇《ギヨーム・テル》(4幕)も,シラーのこの作品にもとづくもので,一般には《ウィリアム・テル》の名で知られる。1829年パリで初演,〈序曲〉がとくに有名である。
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