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ウミユリ

百科事典マイペディアの解説

ウミユリ

ウミユリ綱の棘皮(きょくひ)動物の総称。オルドビス紀に出現し,古生代,中生代に栄えたが,現生種は少ない。狭義のウミユリとウミシダに分けられ,前者は萼(がく)部と柄部からなり,萼部には10本以上の羽状の腕をもち,柄部は長く,根で海底に付着する。
→関連項目棘皮動物

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウミユリ
うみゆり / 海百合
sea-lily

棘皮(きょくひ)動物門ウミユリ綱に属する海産動物の総称。外観が植物のユリ、またはシダに似た動物で、世界の海洋から約630種、日本近海からは103種が知られている。長い茎をもつユリ形のものを有茎ウミユリまたは単にウミユリとよび、茎のないシダ形のものを無茎ウミユリまたはウミシダとよぶ。化石のほとんどのものと現生の約80種が有茎で、現生の550種が無茎である。現生の有茎ウミユリで、日本産の種としてはトリノアシMetacrinus rotundusなどが「生きた化石」として著名である。[重井陸夫]

形態

有茎ウミユリ類の体は、花のような冠部、細長い茎部、ひげ根あるいは球根状の根部からなり、茎部にはつるのように輪生した巻き枝がある。体色は暗紅色、灰黄色、褐色などで高さは4センチメートルから60センチメートルぐらいのものまである。
 無茎ウミユリ類には茎部と根部がなく、冠部の下に巻き枝がある。体色は黒、赤、茶、緑色などさまざまで、鮮やかなものが多い。腕の長さは十数センチメートルのものから40センチメートルを超すものまである。冠部は中央の萼(がく)とそこから放射状に伸び出る腕からなる。腕は10本以上あり、種類によっては200本近いものもある。腕の中心軸の両側には多数の羽枝(うし)が列生している。萼は上面に口と肛門(こうもん)が開き、内部に消化系、水管系、血洞(けっとう)系、神経系が納まっている。雌雄は異体で、生殖巣は羽枝の1本1本の中に入っている。[重井陸夫]

生態

有茎ウミユリ類は大陸棚斜面の岩場や深海の泥底に根部を固着させているが、まれに根部が明瞭(めいりょう)でなく、巻き枝を他物に巻き付けている種類もある。体全体はゆらゆらと動き、腕を広げた状態で上層から降り落ちてくる餌(えさ)を待つ。餌は微小な懸濁物で、羽枝の表面に落ちると、粘液と繊毛流によって萼部上面の口へと運ばれていく。無茎ウミユリ類は浅海の岩場に多く、体の下側の巻き枝で岩などにつかまり、腕を広げて潮流にのってくる微小な浮遊物を待ち受ける。餌は網の目のような羽枝にかかり、腕の表面の管足と粘液と繊毛流によって口のほうへと運ばれていく。体を移動するときには腕で体を押すようにしたり、潮の流れにのったりするが、腕を1本ずつ交互に振って、緩やかに海中を泳いで場所を変える種類もある。無茎ウミユリ類はドリオラリア幼生とよばれる成長過程を経て他物に固着し、ペンタクリノイド幼生とよばれる有茎ウミユリに以た幼生になるが、その後、冠部だけが切り離されて無茎となる。[重井陸夫]

化石

最古の化石は古生代カンブリア紀の地層から知られ、シルル紀、デボン紀、石炭紀にウミユリ石灰岩としておびただしい量を産するが、ペルム紀(二畳紀)以降は激減する。ヨーロッパやアメリカでは古生代の示準化石とされている。日本では石炭紀初期以降の地層に産し、化石を含んだ岩は梅花石(ばいかせき)として知られているが、骨格の整ったものは少なく、ばらばらになったものが多い。化石は普通多数のものが密生した状態でみいだされ、大形のものでは茎の長さ20メートル、直径10センチメートル以上に達するものがある。[重井陸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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