日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
エフレーモフ(Oleg Nikolaevich Efremov)
えふれーもふ
Олег Николаевич Ефремов/Oleg Nikolaevich Efremov
(1927―2000)
ロシアの俳優、演出家。1949年モスクワ芸術座演劇学校を卒業。同校で教鞭(きょうべん)をとるかたわら中央児童劇場で俳優、演出家として働く。58年サブレメンニク(現代人)劇場を創立、1960年代には演劇界の「雪どけ派」の第一人者として活躍し、また映画俳優としても人気を集める。ローゾフの『永遠に生きるもの』(1957)、シュワルツの『裸の王様』(1960)など、鋭い時代感覚と若々しいリリシズムで注目された。70年にモスクワ芸術座の主任演出家に迎えられ、同劇場を名実ともに刷新する。『ワーニァ伯父さん』(1985)、『イワーノフ』(1986)、『三人姉妹』(1997)などチェーホフの現代的解釈の演出をおもに行う。「ペレストロイカ」(建て直し)「グラスノスチ」(公開性)の先導役として活躍し、89年に二つに分裂したモスクワ芸術座の一つ「チェーホフ記念モスクワ芸術座」の主任演出家になった。
[中本信幸]
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