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エルミタージュ美術館 エルミタージュびじゅつかんGosudarstvennyi Ermitazh, Sankt-Peterburg

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エルミタージュ美術館
エルミタージュびじゅつかん
Gosudarstvennyi Ermitazh, Sankt-Peterburg

サンクトペテルブルグにあるロシア最大の国立美術館。正式には「国立エルミタージュ」という。 18世紀初頭,サンクトペテルブルグに都をつくったピョートル大帝のコレクションをもとにして,初めネバ川河畔の冬宮に置かれていたが,1764年女帝エカテリーナ2世がベルリンからゴツコフスキーのコレクションを購入したのを機に,V.ド・ラ・モートの設計によって建てられたエルミタージュ (隠棲所) と呼ばれる王宮別館に収蔵された。その後歴代皇帝や皇族により,68年コブレンツ,69年ブリュル,72年クロザ,79年ウォルポールなどの西欧美術コレクションが購入され,1851年には「新エルミタージュ館」が完成した。 1917年のロシア革命後は国の所有となり,同時にロシア帝国時代の個人コレクションもエルミタージュに集められ,印象派の絵画で有名なシチューキンとモロゾフのコレクションもここに収められた。現在全館に 200万点以上の美術品が収蔵されている。代表的な作品はギリシアの絵壺,ローマの胸像をはじめ,13~18世紀のイタリア美術ではレオナルド・ダ・ビンチの『リッタの聖母子』,ラファエロの『コネスタビレの聖母子』,ティツィアーノの『マグダラのマリア』,カラバッジオの『リュートを弾く少年』など。ドイツ派ではクラナハの『りんごの木の下の聖母子』。フランドル派ではワイデンの『聖母を描く聖ルカ』,ルーベンスの作品 41点,レンブラントの『フローラ』『ダナエ』ほか 38点。そのほかセザンヌ,ゴッホ,ゴーガン,マチス,ピカソなど近代,現代美術の秀作も多い。また特記すべきはスキタイ,アルタイの金工品などである。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

エルミタージュ美術館

300万点余の収蔵規模と展示品の質はパリのルーブル美術館などと並び称される。18世紀後半、ロシアの女帝エカテリーナ2世が購入したオランダ絵画などが起源とされる。レオナルド・ダビンチの「リッタの聖母」やレンブラントの「放蕩(ほうとう)息子の帰還」、マチスの大作「ダンス」などをはじめ、名画宝庫オリエントから中国、インドなど世界の古代遺物や美術品も多い。

(2006-09-07 朝日新聞 朝刊 2外報)

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デジタル大辞泉の解説

エルミタージュ‐びじゅつかん〔‐ビジユツクワン〕【エルミタージュ美術館】

《〈ロシア〉Gosudarstvennïy Ermitazhサンクトペテルブルグにあるロシア連邦国立美術館。1764年創建の離宮を改造したもの。エカチェリーナ2世のコレクションを中心に、名品を多数収蔵する。
[補説]「エルミタージュ」は元来フランス語で、隠遁所の意。

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百科事典マイペディアの解説

エルミタージュ美術館【エルミタージュびじゅつかん】

ロシアのサンクト・ペテルブルクにある国立美術博物館。1764年エカチェリナ2世が離宮エルミタージュErmitazh宮に皇室の美術収集品を置いたのに始まり,1852年特権階級の人々に向けて展示が公開され,19世紀末に一般公開された。
→関連項目サンクト・ペテルブルク

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世界大百科事典 第2版の解説

エルミタージュびじゅつかん【エルミタージュ美術館 Gosudarstvennyi Ermitazh】

ロシアのサンクト・ペテルブルグにある国立美術博物館。18世紀に建てられたバロック様式の豪華な大理石宮殿(冬宮)と,増設された三つの離宮と劇場から成るかつての王宮を,1917年の革命後国有化。400余室を展示室,他を付属研究所等に使用している。収蔵品の歴史は,1764年エカチェリナ2世がベルリンの画商ゴツコウスキーから225点の絵画を購入したのに始まる。女帝はこれらを隣接の離宮〈エルミタージュ(フランス語で隠れ家の意)〉に収容した。

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大辞林 第三版の解説

エルミタージュびじゅつかん【エルミタージュ美術館】

ロシア Ermitazh は フランス ermitage(隠者の家)に由来〕
サンクトペテルブルグにあるロシア連邦の国立美術館。1764年エカテリーナ二世の離宮として建造、のち美術館に改造。古代から現代にわたる世界各国の膨大な美術品を所蔵。特に、フランス近代絵画は秀作ぞろい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エルミタージュ美術館
えるみたーじゅびじゅつかん
Государственный Эрмитаж Gosudarstvenny Ermitazh

サンクト・ペテルブルグにあるロシア最大の国立美術館。現在のエルミタージュ(フランス語で隠れ家の意)は、エリザベータ女帝以来ロシア皇帝歴代の宮殿であった冬宮と、これに増築された小エルミタージュ、劇場、旧エルミタージュ(いずれも18世紀後半)、新エルミタージュ(1851)の五つの建物からなる。当代きっての収集家であったエカチェリーナ2世の時代に、すでに3926点の絵画が収集されており、これを核にコレクションが進められ、1917年のロシア革命後は、文化遺産の保護と国家への譲渡に関する法令により、収蔵品はますます増大した。現在の所蔵点数は約300万点といわれ、6部門(原始文化と美術、古代世界の文化と美術、東方諸国の文化と美術、ロシア文化、西欧美術、コイン・メダル)に分けて収蔵展示されている。まだ宮廷の管轄下にあった1852年から美術館として機能し始め、一部に公開。革命後は国有となって1920年から一般に公開されるようになった。膨大な所蔵品のうち、西欧美術のコレクションは、歴代皇帝によって集められたルネサンスから近世に至る名画に、シチューキン、モロゾフらの大コレクターによるフランス印象派・後期印象派の作品を加え、世界最大級の美術館としての面目を示している。なお、この美術館のあるサンクト・ペテルブルグ歴史地区は1990年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。[湊 典子]
『ボリス・B・ピオトロフスキー著、加藤九祚・生田圓・青柳正規訳『エルミタージュ美術館』(1985・岩波書店) ▽コリン・アイスラー著、高階秀爾監訳『エルミタージュ美術館の絵画』(1996・中央公論社)』

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世界大百科事典内のエルミタージュ美術館の言及

【博物館】より

…1906年ミュンヘンにドイツ科学技術博物館が開館されたが,これは後にドイツ博物館として,多くの機械装置を実際に動かして見られる大技術博物館として完成され,現代の科学技術博物館の草分けとなった。第1次大戦後,ソ連では科学博物館などの技術教育に関係した博物館をはじめ,国有化した旧王室のコレクションを中心に展示したエルミタージュ美術館などが公開された。第2次大戦後,各国とも博物館の復旧,発展に努め,新しい形式の美術館,民俗博物館,科学博物館が創設されている。…

※「エルミタージュ美術館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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