モロゾフ(英語表記)Ivan Aleksandrovich Morozov

改訂新版 世界大百科事典 「モロゾフ」の意味・わかりやすい解説

モロゾフ
Ivan Aleksandrovich Morozov
生没年:1871-1921

ロシア実業家モスクワの生れ。大繊維工場を経営し,シチューキンとともにフランス近代絵画の収集家として知られる。ボラール,ベルネーム・ジューヌBernheim-Jeuneらパリの画商からセザンヌ(17点),ゴーギャン(11点),ゴッホ(5点),マティスボナール,ドニ,モネ,ルノアール,ピカソなどの作品を購入。その膨大な収蔵品は,革命後国家所有となり,1948年以後エルミタージュ,プーシキン両美術館に分割収蔵されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モロゾフ」の意味・わかりやすい解説

モロゾフ
Morozov, Nikolai Aleksandrovich

[生]1854.7.7. ボロク
[没]1946.7.30. ボロク
ロシアの革命家,科学者。 1874年「人民なかへ (ブ・ナロード) !」の運動に加わり,78年ナロードニキ秘密結社土地と自由 (党) 」に,分裂後は「人民の意志 (党) 」に加入。逮捕されて 1905年まで投獄された。獄中物理,化学,天文学を学び著述も行なった。 17年の十月革命後レスガフト科学研究所所長,32年から科学アカデミー名誉会員。

モロゾフ
Morozoff Limited

洋菓子メーカー。1931年神戸モロゾフ製菓を創立。1936年モロゾフ製菓に商号変更。1962年興南糧食工業を吸収合併。1972年現社名に商号変更。1984年大阪証券取引所および東京証券取引所1部に上場。1989年に神戸のポートアイランドに研究開発施設 P&Pスタジオを設立。幅広い分野の商品をそろえ,百貨店主体に直営店を展開するほか,喫茶・レストラン事業も手がける。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「モロゾフ」の解説

モロゾフ

正式社名「モロゾフ株式会社」。英文社名「Morozoff Limited」。食料品製造業。昭和6年(1931)「神戸モロゾフ製菓株式会社」設立。同11年(1936)「モロゾフ製菓株式会社」に改称。同47年(1972)現在の社名に変更。本社は神戸市東灘区御影本町。製菓会社。チョコレート・洋菓子製造。百貨店への出店中心に全国展開。喫茶・レストランも運営。東京証券取引所第1部上場。証券コード2217。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモロゾフの言及

【シチューキン】より

…とくにマティスとは親交があった。モロゾフのコレクションとともに彼の収蔵品は,マレービチらロシアの若き画家たちに大きな刺激を与えた。革命直後収蔵品は国家の所有となり,1948年以後エルミタージュ,プーシキン両美術館に収蔵されている。…

※「モロゾフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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