エーデルワイス(その他表記)edelweiss
Leontopodium alpinum Cass.

デジタル大辞泉 「エーデルワイス」の意味・読み・例文・類語

エーデルワイス(〈ドイツ〉Edelweiß)

キク科の多年草。ヨーロッパアルプスヒマラヤ山脈など高山自生。高さ10~30センチ。全体が白い毛で覆われ、葉は細いへら形。夏、茎の頂に葉を星形につけ、その間に花が集まってつく。日本には近縁種のヒメウスユキソウハヤチネウスユキソウなどが自生。西洋うすゆきそう。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「エーデルワイス」の意味・読み・例文・類語

エーデルワイス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Edelweiß ) キク科の多年草。ヨーロッパのピレネー、アルプスの両山脈やヒマラヤ山脈などに自生する。高さ一〇~三〇センチメートル。全株に白い綿毛を密生する。根ぎわに叢生する葉はへら状で、茎には葉がまばらにつく。夏、茎頂に白毛で覆われた葉を数枚星形につけ、その間に頭状花を七~九個密集する。アルプスの花として珍重され、スイス国花ともなっている。日本には同属のミヤマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウなどが高山帯に自生する。《 季語・夏 》

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改訂新版 世界大百科事典 「エーデルワイス」の意味・わかりやすい解説

エーデルワイス
edelweiss
Leontopodium alpinum Cass.

夏に美しい白い花を開くヨーロッパ・アルプス産のキク科ウスユキソウの1種。転じて,ウスユキソウの仲間をこの名で呼ぶことがある。高山植物として有名で,人の近づかない万年雪の岩の裂け目に野生するため,登山家たちのあこがれの花となった。名前はドイツ語のEdel(高貴な)Weiss(白)に由来する。
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エーデルワイスの学名Leontopodiumは〈獅子の足〉の意で,これは毛皮状の葉にくるまった花がライオンの足を思わせるためであろう。スイスには純潔の乙女と結びつける伝説が語られている。昔アルプスの村に絶世の美女がいたが,彼女を妻とするにふさわしい男が絶えていなかったため,乙女はついに嫁ぐことなく世を去った。エーデルワイスは乙女の生れ変りで,アルプスの山男狩人がその白い花を帽子に飾るのは,最も美しい乙女を妻に迎えたいという思いを表しているのだという。花ことばは〈気高く毅然(きぜん)とした勇気〉〈純潔と不死〉。スイスの国花,ミュージカルサウンド・オブ・ミュージック》中の曲名としても有名。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エーデルワイス」の意味・わかりやすい解説

エーデルワイス
えーでるわいす
Edelweiss ドイツ語
[学] Leontopodium alpinum Cass.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。一名セイヨウウスユキソウ。ヨーロッパ・アルプス、ヒマラヤに自生し、アルプスの花として有名で、オーストリアの国花となっている。日本に自生するミヤマウスユキソウやハヤチネウスユキソウはごく近縁種である。

 なお、エーデルワイスは「高貴な白」という意味で、「アルプスの永久花」という名でも知られている。星形のビロードのような白花は「純粋」のシンボルになっている。

[冨樫 誠 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーデルワイス」の意味・わかりやすい解説

エーデルワイス
Leontopodium alpinum; edelweiss

キク科の多年草。ヨーロッパの高山や亜高山に生える有名な高山植物。草丈は 10~20cm,全体が白色の軟毛に包まれている。夏の頃,茎頂に6~10個の頭状花をつけ,その下に白毛をかぶった包葉が数枚星形について花弁のようにみえる。観賞用にも栽培される。日本に自生する同属のものは数種あり,なかでも谷川岳と尾瀬至仏山に生えるホソバヒナウスユキソウ L. fauriei var. angustifoliumと早池峰山のハヤチネウスユキソウ L. hayachinenseが最もよくこのエーデルワイスに似ている。このほか分布域のやや広いウスユキソウ L. japonicumや木曾駒ヶ岳産のヒメウスユキソウ L. shinanenseなどがある。

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百科事典マイペディア 「エーデルワイス」の意味・わかりやすい解説

エーデルワイス

ヨーロッパアルプスの名花として知られるキク科の多年草。セイヨウウスユキソウともいう。高さ10〜20cm。茎頂に7〜9個の頭花がつき,その基部に包葉が放射状について包葉群全体で花のように見える。全体に白い軟毛が密生するが,特に包葉で目だつ。栽培には夏の暑さに注意を要し,繁殖は実生(みしょう)で春まきにする。
→関連項目ウスユキソウ

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デジタル大辞泉プラス 「エーデルワイス」の解説

エーデルワイス〔曲名〕

《Edelweiss》アメリカのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の中で歌われる歌。1959年発表。作曲:リチャード・ロジャース、作詞:オスカー・ハマースタイン2世。日本では阪田寛夫による訳詞のものが知られる。

エーデルワイス〔筆記具〕

スイスの筆記具メーカー、カランダッシュ社のボールペンの商品名。「849コレクション」かつ「849 エッセンシャリースイスシリーズ」。スイスの国花、エーデルワイスをデザインしている。

エーデルワイス〔ビール〕

静岡県、バイエルンマイスタービールが製造する地ビール。上面発酵タイプ。ドイツ人ビールマイスターが醸造する。

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世界大百科事典(旧版)内のエーデルワイスの言及

【ウスユキソウ】より

…世界で約50種が知られているキク科の多年草の属名で,日本には5種ある。ウスユキソウの名を有名にしたのはヨーロッパ・アルプスの登山家たちの憧れの花エーデルワイスL.alpinum Cass.(ドイツ語名Edelweiss)(イラスト)であるが,属の分布の中心はヒマラヤから中国中・南部の高地で,そこには三十数種が生育する。いずれの種も,花の基部に数枚から十数枚の苞葉が発達する。…

※「エーデルワイス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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