山男(読み)ヤマオトコ

デジタル大辞泉 「山男」の意味・読み・例文・類語

やま‐おとこ〔‐をとこ〕【山男】

深山に住んでいるといわれる男の妖怪大男であったり、小童であったり、また、一つ目、1本足などの怪物であったりする。
山に住み、猟師やきこりなどをして生活している男。
登山の好きな男。長年登山をしている男。

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精選版 日本国語大辞典 「山男」の意味・読み・例文・類語

やま‐おとこ‥をとこ【山男】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 深山に住むという男の怪物。〔書言字考節用集(1717)〕
  3. 山に住む猟師・樵(きこり)などの男。山地育ちの男。
    1. [初出の実例]「多くは信州の山男と聞く」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉四八)
  4. 登山を好み、長年山登りをしている男。
    1. [初出の実例]「娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ 山でふかれりゃヨ 若後家さんだよ」(出典:山男の歌(1962)〈新保信雄〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「山男」の意味・わかりやすい解説

山男 (やまおとこ)

山に棲息すると見立てられている大男,あるいは妖怪。山父(やまちち),山童(やまわろ),山大人(やまおおひと),山丈(やまたけ)ともいう。大力で蓬髪赤ら顔,猿のような化物などというほか,片手片足,一つ目,あるいは足が不自由,片目がきわめて小さいとも伝えられる。里暮しの人々にとって,山は異郷の一種であった。疫病による死者が成仏できずに,山男に化したとも説かれる。山中で仕事をしているところに山男が現れて,人の考えていることを次々といい当てるという昔話がある。これには山彦の要素がうかがえる。また,山男が片目片足であるという点は山の神伝承と一致する。しかし,山男と出会ったとする体験談には,危害を加えられたと語る例は少ない。むしろ,握飯などのわずかな礼で山仕事を手伝ったり,また猪をくれたりなど,好意的な交渉を語る例が多い。この種の話の背景には,マタギ山窩さんか),木地屋などの山間生活者と,里人との交流がうかがえる。
山姥 →山人
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百科事典マイペディア 「山男」の意味・わかりやすい解説

山男【やまおとこ】

山人(やまひと)

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デジタル大辞泉プラス 「山男」の解説

山男

日本各地に伝承のある妖怪。山中に住む大男で、妖怪画などでは毛深い半裸の姿で描かれることもある。

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