エーリック(その他表記)Erik

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーリック」の意味・わかりやすい解説

エーリック[ポンメルン]
Erik

[生]1381頃.ポンメルン
[没]1459.5.3. リューゲンワルデ
カルマル同盟初代の王 (在位 1397~1439) 。デンマーク王としてエーリック7世に数えられる。デンマークのマルグレーテの姪マリエとポンメルン公ワティスラフ3世の子。 1387年マルグレーテの養子となり,彼女の巧みな外交政策により,97年カルマル同盟初代の王となった。実権はマルグレーテが握っていたが彼女の死 (1412) 後,スカンジナビアの絶対王政を整え,デンマークの国境拡大,税制や貨幣制度の整備などに努力した。一方,ハンザ同盟からの自立を目指し,ハンザの艦隊を攻撃 (26) 。最初のズンド海峡税を課した (28) 。しかし,デンマーク中心主義のためスウェーデンに E.エンイエルブレクトの指導する民衆反乱が起り (34) ,ノルウェーにも農民反乱が起る (36) なかで,1439年デンマーク貴族はエーリックを廃位,同年スウェーデン王も退位した。 42年ノルウェー王を退位。

エーリック[ノルウェー王]
エーリック[ノルウェーおう]
Erik Blodöx

[生]895頃
[没]954
ノルウェー王 (在位 940頃) 。「血斧王」とも呼ばれる。ハーラル1世 (美髪王) の子。バイキング首領。異母兄弟ホーコン1世 (善良王) や族長たちと争い,945年頃ノルウェーから追放された。イングランドにおもむき,ヨークを支配した。

エーリック
Erik Thorvaldsson; Eric the Red

10~11世紀頃在世のグリーンランドの最初の入植者。ノルウェーからアイスランド移住殺人により追放され,グリーンランドを調査 (982) 。いったん帰国し,同島を「緑の島」と呼んで移住団を組織して入植 (986) ,そこで死んだ。

エーリック(聖王)
エーリック[せいおう]
Erik Jedvardsson, den Helige

[生]?
[没]1160
スウェーデン王 (在位 1150~60) 。「聖王」とも呼ばれる。西イェトランド朝を創始。フィンランド征服 (55) ,キリスト教化に尽力

エーリック(勝利王)
エーリック[しょうりおう]
Erik Arsäll

10世紀頃のスウェーデン王。「勝利王」とも呼ばれる。初め兄弟のオーラフと共同統治。オーラフの死後,その子とデンマーク人の連合軍をウプサラ近郊に破り,デンマークを征服。

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