家庭医学館 の解説
おすぐっどしゅらったーびょう【オスグッド・シュラッター病 Osgood-Schlatter Disease】
すねの骨(脛骨(けいこつ))の、膝(ひざ)のすぐ下に張り出している部分(脛骨結節(けいこつけっせつ))が腫(は)れて、痛みがおこる病気です。
子どもの脛骨結節には、軟骨の成長線があり、外力に弱い部分ですが、そこには膝を伸ばす大きな筋肉(大腿四頭筋(だいたいしとうきん))がはたらいており、つねに大きな力がかかっています。
ジャンプ、ランニング、キックなどといった激しいスポーツをすると、くり返し脛骨結節に筋肉の牽引力(けんいんりょく)がはたらいて、細かい骨折様の変化(ひびなど)がおこり、痛みが生じます。
11~15歳くらいの活発な男の子に多くみられる病気です。
[症状]
膝の下が腫れて、押すと強い痛みがあります。膝を強く曲げるときや、けるなどして抵抗にさからって膝を伸ばすときに、痛みが強くなります。
X線写真を見ると、脛骨結節が不規則な形になり、腫れているのがわかります。
[治療]
膝の安静が基本です。スポーツを完全に中止すれば、約半数の子どもでは、骨の変化が改善されます。
しかし、中途半端な中止では、修復する例は4%にすぎません。
膝を強く曲げる運動を2~3週間は中止し、オスグッドバンドという装具や、消炎剤を含む軟膏(なんこう)などが用いられます。痛みがひどいときは、膝を一時的にギプスなどで固定します。
生活指導もたいせつで、この病気が膝の使いすぎでおこることを本人や家族、スポーツの指導者が理解することが必要です。
また痛みは、子どもが成長して、脛骨結節の軟骨の部分が骨になって(骨化して)くっついてしまえば、おこらなくなることも知っておく必要があります。
運動を再開するときは、うさぎ跳び、ジャンプ、キック、スクワットなどをしないように注意します。
運動後の膝を中心としたアイスマッサージも予防効果があります。
おすぐっどしゅらったーびょう【オスグッド・シュラッター病 Osgood-Schlatter Disease】
オスグッド・シュラッテル病ともいいます。10歳から15歳の発育期の子どもにみられるもので、運動時に膝蓋骨(しつがいこつ)の下部、脛骨(けいこつ)前面に痛みが出て、やがて突出してきます。
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が収縮し、膝蓋靱帯(しつがいじんたい)が引っ張られて骨の付着部から剥(は)がれるためにおこる骨端炎(こったんえん)、骨軟骨炎(こつなんこつえん)です。
[治療]
しばらくスポーツを中止すれば治りますが、程度によっては手術も行なわれます(詳しくは「オスグッド・シュラッター病」を参照してください)。