ウクライナ南部の黒海沿岸に位置し、人口100万8千人(2023年推定)。オスマン帝国下で「ハジベイ」と呼ばれていた集落が18世紀後半の露土戦争でロシア領となり、港の建設を命じた皇帝エカテリーナ2世がオデッサと命名。バルト海に面するサンクトペテルブルクと共にロシア帝国の「欧州への窓」として発展した。農業大国のウクライナが穀物を輸出する際の主要港で、保養地や観光地としても知られる。中心部の歴史地区は23年1月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。ソ連時代から横浜市と姉妹都市。(共同)
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ウクライナ南部,黒海にのぞむ都市。人口98万9468(2005)。あらゆる意味でウクライナ南部の中心都市で,オデッサ州の州都。気候は比較的穏やかで(月平均気温は1月-3℃,7月22℃,年降水量351mm),ロシアの人々のあこがれる〈南〉を象徴する都市の一つとして,多くの観光客や保養客をひきつけている。産業面では機械・造船を中心とする重工業が発達し,またオデッサ港は,交通面でも漁港としても,黒海沿岸の都市の中で中心的な位置を占める。オデッサの名は,古代ギリシアの植民市オデッソスがこの地にあったと誤って想定されたことに由来している。しかし,現在のオデッサの起源となったのは,トルコ人が15世紀に建設した集落ハジベイであった。彼らが1764年にこの地につくった要塞エニ・ドゥニアは露土戦争の結果,ヤシ条約(1791)によってロシア領となり,スボロフ将軍の指揮下にこの地に建設された都市・港・要塞が,95年にオデッサと改名されて現在に至っている。ロシア領となってからのオデッサは,ウクライナ南部への大量の植民者の流入に伴い,穀物の輸出港として急速に成長。1866年には中部ロシアと鉄道で結ばれて,19世紀末にはウクライナ屈指の大都会となり,貿易港としては首都ペテルブルグに次ぐものとなった。港市であることとロシア人,ウクライナ人,ユダヤ人がそれぞれ人口の3分の1ないし4分の1を占めるという多様な民族構成(比率は時期により異なる)は,この都市に独特の国際的な性格を与え,政治的にも活発な都市となった。とくに,1905年の戦艦ポチョムキンの反乱とバリケード戦,ウクライナ民族革命派,ソビエト革命派,反革命派,英仏干渉軍などの入りみだれた17-21年の革命と内戦の激烈さ,第2次大戦における69日にわたる英雄的な抗戦などは名高い。
執筆者:青木 節也
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アメリカ合衆国、テキサス州西部の工業都市。人口9万0943(2000)。1920年代に町の南方で石油が発見されて以来、石油精製、化学製品、プラスチック、合成ゴム、石油関係機械などの工業が立地。30年代には人口約3000人の町にすぎなかったが、石油関連産業の成長とともに急速に人口が増加し、10万都市に発展した。付近には隕石(いんせき)による大きなクレーター(直径180メートル、深さ45メートル)がある。
[菅野峰明]
黒海沿岸の港湾都市。18世紀末エカチェリーナ2世によって軍港として建設され,19世紀には南ロシアの穀物の輸出港として発展した。1905年革命のときには戦艦ポチョムキンがこの港で反乱を起こした。ソ連解体後ウクライナ領。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…ロシアを除けば,国土面積ではヨーロッパ最大,人口ではドイツ,イギリス,フランス,イタリアに次ぐ。ハリコフ,キエフ,オデッサなど24の州oblast’とクリミア自治共和国からなる。ウクライナという名称は〈辺境〉を意味するクライkraiからつくられたもので,12世紀ころから使われていた。…
… 黒海は水上交通上重要であり,たとえば旧ソ連の輸出の約1/2,輸入の約1/4は黒海経由で行われた。おもな港には,ロシアのノボロシースク,グルジアのバトゥーミ,ウクライナのオデッサ,セバストポリ,ブルガリアのバルナ,ブルガス,ルーマニアのコンスタンツァ,トルコのトラブゾン,サムスン,ゾングルダクなどがある。漁獲量は年25~30万tで,その約2/3をアンチョビーが占め,ほかをアジ,イワシ,ハガツオ,ニシン,ヒメジ,ボラ,サバ,チョウザメ,イルカなどが占める。…
※「オデッサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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