オピニオンリーダー(読み)おぴにおんりーだー(英語表記)opinion leader

翻訳|opinion leader

デジタル大辞泉 「オピニオンリーダー」の意味・読み・例文・類語

オピニオン‐リーダー(opinion leader)

ある集団の意見の形成に方向づけをする人。特に、社会全体の世論の形成に影響を与える人。

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精選版 日本国語大辞典 「オピニオンリーダー」の意味・読み・例文・類語

オピニオン‐リーダー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] opinion leader ) 集団の意志形成に大きな影響をもっている人。世論の指導者
    1. [初出の実例]「それらの知識人がオピニオン・リーダーとして相当の勢力を持っているところに」(出典:現代における保守と自由と進歩(1963)〈林健太郎〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オピニオンリーダー」の意味・わかりやすい解説

オピニオン・リーダー
おぴにおんりーだー
opinion leader

世論形成に重要な役割を演ずる人物をいう。人々は自分の意見を形成するにあたって、信頼できる人物に情報や助言を求め、参考にする傾向をもっている。広義には、産業界の、○○町の、あるいは日本のオピニオンリーダーというように、特定の分野、地域社会、あるいは社会全体において、それが当面する重要な問題を喚起し、人々の意見形成に影響を与え、世論を動かす人物をいう。狭義には、社会学用語として、地域社会あるいは集団において、特定の問題に対して他の人々よりも強い興味と関心を寄せ、詳しい情報を所有する人物をいう。問題ないしは情報の領域ごとに、オピニオン・リーダーは存在する。地域社会や集団において新しい情報(イノベーションあるいは新しいアイデア)が浸透する際には、これらのリーダーが媒介作用を演ずる。情報がオピニオン・リーダーを媒介にして社会的に伝達され、影響力を発揮する過程を、「コミュニケーションの二段階(ないしは多段階)の流れ」という。

 現代のように、マス・コミュニケーションが発達した状況のもとでは、情報はマス・メディアから直接的に一般の人々に伝達される。しかし、その情報をどのように判断し、解釈し、そして行動すればよいかの情報は、マス・メディアから得られないことが多い。マス・メディアにかわって、一般の人々に助言や判断を与える人物がオピニオン・リーダーである。彼らは、社会における情報の影響力の流れを担う人物であり、問題ないしは情報の分野ごとに異なるところから「水平的オピニオン・リーダー」とよばれ、広義のオピニオン・リーダー(垂直的オピニオン・リーダー)から区別される。

[藤竹 暁]

『E・カッツ、P・F・ラザースフェルド著、竹内郁郎訳『パーソナル・インフルエンス』(1965・培風館)』『E・M・ロジャース著、藤竹暁訳『技術革新の普及過程』(1966・培風館)』

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改訂新版 世界大百科事典 「オピニオンリーダー」の意味・わかりやすい解説

オピニオン・リーダー
opinion leader

日常的なトピック(流行,買物,選挙など)に関して,周囲の人々の意思決定に対人的な影響を及ぼす人。1940年のアメリカ大統領選挙の際に,投票行動の調査を実施したラザースフェルドP.F.Lazarsfeldらによって名づけられた。影響を受ける相手はフォロアーと呼ばれる。オピニオン・リーダーは社会的地位や階層の点でフォロアーと同質的な存在であり,したがって彼らの影響は,全社会的規模での指導者や専門家による上から下への〈垂直的リーダーシップ〉とは異なり,〈水平的リーダーシップ〉として行使される。また,近代的な社会では,少数の人間が多くのトピックにわたって重複的にリーダーになることは少なく,トピックごとに,そのトピックに対する関心が比較的高く,マス・メディアなど外部の情報源によく接触している人がリーダーと認められるのがふつうである。オピニオン・リーダーの影響力は,彼らが所属する集団の外部からの情報や影響を,助言や示唆という形で,フォロアーとしての集団成員に仲介するという,〈中継機能〉に由来するところが大きい。
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DBM用語辞典 「オピニオンリーダー」の解説

オピニオンリーダー【opinion leader】

ターゲットセグメントの一種。マーケット・リーダー、影響者(Influences)とも呼ばれ、商品購入に影響を与える人達のことを指す。ある特定商品を購入する場合、その購入行動に主導性をもつ人、他の人がその商品購入をする際に助言や意見や情報提供を求められる人でもある。流行を早期に取り入れるアーリーアダプター(earlyadapter)ともいわれる。彼らに続いて流行を取り入れる人々をフォローアー(follower)という。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オピニオンリーダー」の意味・わかりやすい解説

オピニオン・リーダー
opinion leader

ある集団のなかで,その人の意見が強い影響力をもっている指導者をいう。常識的には,マスコミを通じて社会的に発言する政治家,学者,評論家などの有名人をさす。しかしマスコミ理論の術語としては第1次集団内の意見指導者をいう。 D.カッツと P.F.ラザースフェルドが『パーソナル・インフルエンス』 Personal Influence (1964) で提出した用語。

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マーケティング用語集 「オピニオンリーダー」の解説

オピニオン・リーダー

特定の集団の中で他のメンバーに対して強い影響力をもつ人物のこと。
自社のブランドが特定の集団からの影響力を強く受ける場合、その集団のオピニオン・リーダーのロイヤリティ向上を図ることが重要となります。リーダーに対するダイレクトマーケティングと効果的なバイラルマーケティングや口コミの展開により急速な市場浸透を狙うことが可能です。

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流通用語辞典 「オピニオンリーダー」の解説

オピニオン・リーダー【opinion leader】

交際範囲が広く、周囲への影響力が大きい人をいう。オピニオン・リーダーを発見し、彼らと好ましい関係をつくり、人びとの購買態度の形成に協力を得ることは、有効な顧客対策になる。意図的にリーダーを作って流行操作をさせたり、クチコミによって宣伝効果を高めたりする手段に用いることがある。

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世界大百科事典(旧版)内のオピニオンリーダーの言及

【マス・コミュニケーション】より

… ところが1960年前後になると,マスコミ研究者の間から,〈弾丸理論〉見直しの動きが強まった。なかでも有力だったのがパーソナル・コミュニケーションの実態調査をふまえたラザースフェルドらの〈2段階の流れ論〉で,マスコミはまずオピニオン・リーダーに受け止められ(第1段階),そこでろ過,変形,強調,反論付加などされてその周辺にいる集団メンバーに伝えられる(第2段階)ので,マスコミの影響力が直接に発揮されるというより,オピニオン・リーダーが対面集団face‐to‐face groupの中でもつ個人的影響personal influenceの方が大きい,とする理論である。これに対してクラッパーJ.T.Klapperは,多くの実験や社会調査の結果を総括して,人々の先有傾向predispositionを〈変化〉させる働きが強いのはパーソナル・コミュニケーションの方で,マスコミは先有傾向を〈強化〉する働きが強いという結論を引き出した。…

※「オピニオンリーダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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