オミナエシ科(読み)オミナエシか(その他表記)Valerianaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オミナエシ科」の意味・わかりやすい解説

オミナエシ科
オミナエシか
Valerianaceae

双子葉植物マツムシソウ目の1科。オーストラリアとアフリカ中央部を除く世界,特に北半球に広く分布し,約 13属 400種が知られる。多くは一年生または多年生の草本であるが,低木もまれにある。直立した茎に葉を対生またはときに根生し,葉は普通羽状に分裂する。花は普通両性で,枝先に集散花序をつくる。筒状花冠基部にをもつものが多く,花筒内には3~4本のおしべ,細長い花柱をもった子房がある。果実は普通痩果で裂開しない。オミナエシ Patrinia,カノコソウ Valeriana,ノジシャ Valerianellaなどの諸属があり,薬草あるいは観賞用として栽培されるものもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オミナエシ科」の意味・わかりやすい解説

オミナエシ科
おみなえしか
[学] Valerianaceae

双子葉植物、合弁花類。一年草もしくは越年草または多年草。葉は根際につくか、茎上に対生または輪生し、托葉(たくよう)はない。花は両性または単一で小さく、左右相称で集散花序になる。花冠は漏斗(ろうと)状、筒部はしばしば下部が膨らむ。雄しべは1~4本で花冠筒部のもとにつく。子房は下位で3室となり、1室だけが結実する。果実は乾果で、種子胚乳(はいにゅう)がない。

 世界に13属約360種が北半球と南アメリカに多く分布し、日本にオミナエシ属とカノコソウ属の2属8種があり、ノヂシャが帰化している。

[高橋秀男]


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