ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートノミー」の意味・わかりやすい解説 オートノミーautonomy 自律。自己の行動を外部より拘束されず,みずから課した原理によって決定すること。主として人間個人の心理,神経についていわれる。心理学上は善悪が判断でき,善を選べる場合が自律であり,成人期に入ることを意味する。他方,他律は自分で判断できないことであり,幼児期にあることを意味する。 J.ピアジェは,他律から自律にいたる人間の成長段階を設定している。なお,国会の「自律権」にみられるように団体の自治を自律と呼ぶ場合もある。 オートノミーautonomy 自治。同質的な集団ないし団体の意思が,構成員の参加に基づき決定されることをいう。イギリスの中世都市はオートノミーを体現していたといえる。なお,現代においてこの概念は非常に重要視されつつある。すなわち,同質性の崩壊している現代社会において,オートノミーの理念に基づき人民の政治参加をどのように拡充するかは,現代民主政治の基本的課題であるといえよう。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報