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オールトの雲 オールトノクモ

デジタル大辞泉の解説

オールト‐の‐くも【オールトの雲】

太陽から約1光年の所を球状に取り囲んでいる、小惑星や氷・ちりなどが多く存在する領域。1950年にオランダの天文学者ヤン=オールトが提唱したが、観測では実証されていない。重力散乱外惑星によってはじき出された天体が、太陽の重力圏でとどまってできたとされる。

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大辞林 第三版の解説

オールトのくも【オールトの雲】

太陽から半径約1光年(六万天文単位)の球殻状の所にあると考えられる彗星の巣。オールトが1950年代に提唱したもので、特に長周期の彗星がここから供給されて太陽に向かってくるという。 → トランス-ネプチュニアン天体

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オールトの雲
オールトのくも
Oort cloud

太陽系の最も外側の惑星である海王星の軌道の 1000倍以上の距離を周回していると推測される,球状に分布して存在する膨大な数の氷でできた天体群。その存在を提唱したオランダの天文学者ヤン・ヘンドリック・オールトにちなんで名づけられた。直径 100kmに満たない天体が,おそらく 1兆個程度含まれており,質量の合計は地球の 10~100倍と推測される。地球からあまりにも遠く離れているので直接観測することはできないが,公転周期 200年以上の長周期彗星の源であると考えられている。1932年エストニアの天文学者エルンスト・J.エピックが,遠く離れたところに彗星の源が存在することを示唆した。彗星は木星軌道より内側を通過する間にやせ細ってしまうので,新しい彗星を絶えず送り出す源が存在するはずだと考えたのである。1950年オールトは 19個の彗星の軌道を計算することに成功した。それによれば 19個のうち 10個はきわめて遠い,同じ距離のところから来ており,そのあたりに彗星の供給源が存在するはずだと考えられた。のちにアメリカ人天文学者ブライアン・マースデンがもっと多くの軌道計測データを使い,彗星の供給源は太陽から 4万~5万天文単位(AU)離れていると計算した。その存在と大質量は太陽系起源論(→太陽系の起源)から予測される。オールトの雲は原始惑星系円盤の外側部分に降着していた氷の微惑星が,原始巨大惑星の重力によって散乱されてできたものと考えられる。オールトの雲が宇宙のどこまで広がっているかはわかっていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オールトの雲
おーるとのくも
Oort's cloud

太陽系の最外縁を球殻状に形成する小天体の集まりで、彗星(すいせい)の供給源。長周期彗星の研究から、オランダの天文学者オールトJan Henfrik Oort(1900―1992)が提唱した。おもに氷や雪のかたまりの小天体で形成され、他の恒星などの影響でオールトの雲からはじき飛ばされた小天体が太陽に向かうようになると、彗星になると考えられている。
 オールトの雲の広がりは、おおむね1万天文単位(1天文単位は地球と太陽間の距離で約1億5000万キロメートル)から10万天文単位とされ、短周期彗星の供給源とみられるエッジワース・カイパーベルトの外側にあり、太陽系の最外縁であると考えられている。[編集部]

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