カイエンヌ(英語表記)Cayenne

デジタル大辞泉 「カイエンヌ」の意味・読み・例文・類語

カイエンヌ(Cayenne)

南アメリカ北東部、フランス領ギアナ首都大西洋に注ぐカイエンヌ川河口の島に位置する。17世紀半ばにフランス人が建設し、港を開いた。政治犯の流刑地となったほか、19世紀半ばにゴールドラッシュにより一時栄えた。現在はコーヒー砂糖などの農産物集散地であり、木材と金の積出港となっている。香辛料カイエンペッパー名称は同地にちなむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「カイエンヌ」の意味・わかりやすい解説

カイエンヌ
Cayenne

南アメリカ北東部にあるフランス領ギアナ主都で,同地域唯一の貿易港。人口5万0395(1999)。市街はカイエンヌ河口の中州にある。気候は熱帯多雨地帯に属し,年平均気温は27℃,年降雨量は3000mmに達する。町は1643年フランスの植民地として設立されたが,のちに政治犯の流刑地になった。19世紀末,ゴールドラッシュによって人口が急増した時代を除き町の発展は停滞したが,1946年本国の行政改革で海外県となり開発のてこ入れが強化されたため,同市内にも少しずつコンクリートの建築物が増えている。市街はほぼ碁盤目状に仕切られ,中央に広場があり当市出身の黒人政治家フェリクス・エブエの記念碑とヤシ樹林がある。カイエンヌと他の集落を結ぶ砂利道が海岸沿いに約300kmあるのみで,内陸へは小型船舶または航空機を利用するほかなく,移住と開発が後れている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイエンヌ」の意味・わかりやすい解説

カイエンヌ
Cayenne

フランス領ギアナの首都。南アメリカ北部大西洋岸,カイエンヌ川河口のカイエンヌ島北西端に位置する。 17世紀前半フランス人が建設。 1848年の奴隷制廃止後,労働力不足をきたしたため,それを一部補うためフランス本国から囚人が送られてくるようになり,その入植中心地となった市は「囚人の町」として知られるようになった。流刑植民地は 1944年閉鎖。フランス領ギアナ最大の都市で,人口の3分の1が集中。大西洋に臨む港湾都市として木材,ラム酒,金などを積み出す。また周辺に産するパイナップルサトウキビなどの集散地で,パイナップル缶詰工場があるほか,エビの缶詰・冷凍工場も立地。近郊にはフランス熱帯アメリカ研究所,パスツール研究所がある。沿岸道路により北西のサンローランデュマロニ,南東のブラジル国境方面と結ばれるほか,近郊に国際空港がある。人口 6万500(2003推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイエンヌ」の意味・わかりやすい解説

カイエンヌ
かいえんぬ
Cayenne

南アメリカ北部、フランス領ギアナの首都。同地域の北東部、大西洋に面し、カイエンヌ川河口の同名の島に位置する港市。人口5万0594(1999)、5万7614(2015センサス)。1643年にフランス人によって建設され、ギアナにおけるフランスの基地として重視された。付近はコーヒー、ココア、コショウ、砂糖、米を産する農業地域で、それらの集散と、金、木材の輸出が行われる。卓越する北東風で夜は涼しく、気候はしのぎやすい。ヤシの種類を多く集めている植物園や博物館などは一見の価値がある。

[山本正三]

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百科事典マイペディア 「カイエンヌ」の意味・わかりやすい解説

カイエンヌ

フランス領ギアナの主都。カイエンヌ川河口の中州に位置し,同地域唯一の貿易港。1935年までフランスの懲役刑囚の流刑地だった。1946年海外県になるが,なお開発は進んでいない。5万5753人(2010)。

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世界大百科事典(旧版)内のカイエンヌの言及

【フランス領ギアナ】より

…人口は14万5000(1995)。主都カイエンヌ。北部の海岸にはわずかな低地帯があり,中央内陸部は熱帯雨林におおわれた丘陵地とサバンナとからなり,南部奥地に進むにしたがい花コウ岩のギアナ高地につき当たる。…

※「カイエンヌ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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