ドイツの小説家,詩人。ポツダムに生まれ,文学と経済学を学び,1927年からフリーの文筆家となる。ナチス時代は文学活動を禁止され,レルケらと助け合いつつ国内亡命の生活を送る。41年にズールカンプ書店の原稿審査員となり,終戦を迎える。戦争中に書いた長編《流れの背後の都市》(1947)はカフカ的ビジョンによって全体主義体制を風刺しているところが時流に合い,一躍有名作家となる。48年のペン・クラブ誕生に尽力,49年ドイツが東西に分裂するとき,ペン・クラブの統一を維持しようと奔走するが成功せず,西独のシュトゥットガルトに移住する。53-59年ダルムシュタットの文学アカデミー会長を務め,ナチス時代の文化政策のひずみの是正をはかり,弾圧され埋もれていた作家の再発掘を推進した。小説《織機》(1949),《大きな綱》(1952)は社会風刺的なもの。詩集《永遠の存在》(1943),《すかし》(1964)は主として自然抒情詩である。
執筆者:神品 芳夫
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※「カザック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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