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カナヘビ Takydromus tachydromoides

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カナヘビ
Takydromus tachydromoides

トカゲ目カナヘビ科。全長約 20cm。体は細長く,特には長く全長の3分の2を占める。体色黄褐色ないし暗褐色で,背面には鱗が拡大してできた6列の縦条がある。5~9月に産卵し,この期間中交尾が繰返される。雌は普通2回,多いものでは6回産卵する。1回あたりの産卵個数は1~8個で,卵は 40日ぐらいで孵化する。孵化したばかりの幼体は 6.5cmほどで,1年ぐらいで両性とも成熟する。日本固有種で,北海道から九州まで分布し,草むらや地上に普通にみられる。昆虫類,クモなどを捕食する。なおカナヘビ科 Lacertidaeはマダガスカル島を除く旧世界 (ヨーロッパアフリカ,アジア) に 150種ほどが分布しているが,すべて地上性で,形態的な分化が比較的少く,肢が退化する傾向にあるものはまったくない。日本には本種のほかにコモチカナヘビアオカナヘビサキシマカナヘビなどがいる。

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百科事典マイペディアの解説

カナヘビ

カナヘビ科に属するトカゲ総称。約20属180種がアジア,ヨーロッパ,アフリカに広く分布する。日本の代表的な種ニホンカナヘビは,全長18〜25cm,尾はその3分の2を占める。体色は褐色または暗灰褐色。日本全土に分布し,固有種。平地や丘陵地帯の草原川原に多い。昆虫・クモ類を捕食。5〜8月ごろ1頭の雌が3回ほど産卵し,草の根もとの土中に1回平均4個ほどを産む。尾は自切でき,後に再生する。

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世界大百科事典 第2版の解説

カナヘビ【true lizard】

カナヘビ科Lacertidaeに属するトカゲ類の総称。和名はかな(金属)色をしたヘビを意味し,名のとおり体が細長くて尾もきわめて長く,尾長は全長の約1/2から2/3強を占める。約22属210種がアジア,ヨーロッパ,アフリカに広く分布し,ほとんどが全長15~25cmほどの小型。しかし少数の種は全長50cmを超え,ヨーロッパ南部,アフリカ北西部に分布するホウセキカナヘビLacerta lepidaは最大80cmに達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カナヘビ
かなへび
true lizard

広義には爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目カナヘビ科に属するトカゲの総称で、狭義にはそのうちとくにカナヘビ属Takydromus、コモチカナヘビ属Lacertaなどに含まれるグループをさす。カナヘビの和名は「かな(金属)色をしたヘビ」を意味する。
 北海道から九州まで各地に分布し、庭先でも普通にみられるニホンカナヘビT. tachydromoidesは、カナヘビの典型的形態をした種で、全身が褐色で細長く、全長22センチメートル、尾はその3分の2ほどである。体鱗には隆起があってニホントカゲのような光沢がなく、尾も青くない。平地から低山地の草地、堤、やぶの周辺などにすみ、春から夏に2、3回産卵し、1回に平均4個ほどを産み、飼育下でもよく繁殖する。餌(えさ)は昆虫、クモ、ミミズなどである。南西諸島には体色が美しい緑色のアオカナヘビT. smaragdinus(全長22センチメートル)と、カナヘビ属に近縁なサキシマカナヘビ属ApeltonotusのサキシマカナヘビA. dorsalis(全長30センチメートル)の2種が分布し、対馬(つしま)では、アムール川周辺から朝鮮半島に分布するアムールカナヘビT. amurensisの生息が最近になって判明した。北海道北部でも生息が確認されたコモチカナヘビL. viviparaは、卵胎生で全長18センチメートル、生息域の広い種で、シベリアからヨーロッパ中部にかけて分布し、アルプスの3000メートル地域やスカンジナビア半島の北極圏付近までも及ぶ。ヨーロッパ産のコモチカナヘビ属には大形種が含まれ、ホウセキカナヘビL. lepidaが全長80センチメートル、ミドリカナヘビL. viridisが45センチメートルに達する。また近縁のカベカナヘビ属Podarcisは全長20センチメートル前後、イベリアカベカナヘビP. hispanicaをはじめ美しい種が多い。カナヘビ科Lacertidaeは全部で約20属180種がヨーロッパ、アフリカ、アジアの大部分に分布し、頭部以外の体鱗には皮骨板がない。[松井孝爾]

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