カルトゥーシュ(英語表記)cartouche[フランス]

デジタル大辞泉 「カルトゥーシュ」の意味・読み・例文・類語

カルトゥーシュ(〈フランス〉cartouche)

建築デザインで、装飾枠飾り。紙帯の端が巻いているような枠を作り、その中に紋章文字などを表す。バロック時代に多く用いられた。
古代エジプト建築で、王の名を彫った文字を囲む楕円形輪郭

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精選版 日本国語大辞典 「カルトゥーシュ」の意味・読み・例文・類語

カルトゥーシュ

〘名〙 (cartouche)
① 渦巻状の持送り、または装飾鉛版のこと。バロック建築の装飾に多く用いられた。
② エジプトで、王か神の名などを表わした、楕円形の輪郭。

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改訂新版 世界大百科事典 「カルトゥーシュ」の意味・わかりやすい解説

カルトゥーシュ
cartouche[フランス]

(1)建築装飾およびデザインの用語矩形の紙の両端あるいは四隅が,内側に巻きこまれたようになっている図様で,中の空間に,文字,紋章等をあらわす。浮彫状のカルトゥーシュは,バロックの建築装飾に好んで用いられた。(2)古代エジプトで,王名を記す際に用いられた小判状の枠の形。この中に象形文字ヒエログリフ)で名が記された。太古に,縄でかこむ形が領地支配を象徴したことから,この形が生まれたという。
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百科事典マイペディア 「カルトゥーシュ」の意味・わかりやすい解説

カルトゥーシュ

厚紙の端がまくれたような形の装飾デザイン。またバロック建築の装飾に用いられた同形状の額をもいい,さらに不規則な形にデザインされた枠(わく)もこの名で呼ぶ。古代エジプトのヒエログリフ中に,王名等を囲む長円形の輪郭もカルトゥーシュという。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルトゥーシュ」の意味・わかりやすい解説

カルトゥーシュ
cartouche

工芸・建築用語。厚紙の一端あるいは両端が巻込まれているような装飾デザイン。建築では紋章や文字を記す装飾額に使われ,さらには周囲をなんらかの不規則な枠で縁どったデザインもこの名で呼ばれ,16~17世紀バロック建築の室内装飾に好んで用いられた。

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