イギリスの最高勲章。各国の元首と、イギリス国家にとくに功労のあった人物に贈られ、本人死亡後は返上するのが決まりである。制定年は明らかでないが、1348年ごろエドワード3世の制定ともいわれる。ガーターとは「靴下留め」のことであり、俗説によれば、王とダンスをしていたさる伯爵夫人がガーターを落とし、これを笑った者に、王がHoni soit qui mal y pense(悪を思うものは悪である)ととがめたことから、その騎士道精神をたたえて採用されたといわれ、ガーターにその語が金糸で縫い取ってある。正式の服装として、ガーター勲章は左膝(ひざ)下につけ、濃紺色のビロードのサーコートと頭巾(ずきん)を着用する。日本人では明治以後、4代の天皇に贈られている。
[梶 龍雄]
イギリスの代表的勲章。ガーター騎士団Knights of the Garter団員の規定の服装・装身具の総称で,左足の膝下につけるガーター,マント,首飾り,星章などから成る。この団体はエドワード3世が騎士道実践の模範たるべく,また団員の国王への忠誠と奉仕を強調するため1348年に創設。正規の団員はイギリス国王のほか25名。別に王族,外国元首などが加えられることがある。ウィンザー城内セント・ジョージ礼拝堂に本部がある。K.G.は団員氏名の後に付する略称。
執筆者:城戸 毅
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…しかし1802年にナポレオン1世はフランスの繁栄に寄与した人物を集めた〈名誉軍団〉(レジヨン・ドヌールLégion d’honneur)を制定し,騎士,士官,司令官等5階級の勲章をつくり,今日に至っている。イギリスで最も古いガーター勲章は,1347年フランスのカレー市占領祝賀会のダンスの最中,女官が靴下留を落としたのをエドワード3世が拾って自分の膝につけたのが起源とされる。The Most Noble Order of the Garterは48年に制定され,1417年にはヘンリー5世によってガーター紋章官Garter King of Armsが置かれた。…
…イギリスでは13世紀に国の守護聖人とされ,多くの教会ができた。またガーター勲章は,イギリスの守護聖人の名を付してジョージ(ゲオルギウス)勲章The Order of Saint Georgeとも呼ばれる。騎士,射手,農民,武具製造人,馬などの守護聖人としても広く愛された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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