キャノン(読み)きゃのん(英語表記)Annie Jump Cannon

デジタル大辞泉 「キャノン」の意味・読み・例文・類語

キャノン(canon)

カノン

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共同通信ニュース用語解説 「キャノン」の解説

キヤノン

デジタルカメラ複合機などを手掛ける大手精密機器メーカー。主力のカメラや複合機事業が伸び悩み、医療機器や監視カメラなど成長が期待される事業を強化している。御手洗冨士夫みたらい・ふじお会長兼社長が3月30日付で社長職を退き、真栄田雅也まえだ・まさや専務が引き継ぐ。設立は1937年で、連結の従業員数は約19万人。2015年12月期連結決算の売上高は3兆8002億円、純利益は2202億円だった。

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精選版 日本国語大辞典 「キャノン」の意味・読み・例文・類語

キャノン

  1. 〘 名詞 〙カノン(canon)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キャノン」の意味・わかりやすい解説

キャノン
きゃのん
Annie Jump Cannon
(1863―1941)

アメリカ天文学者デラウェア州ドーバーに生まれ、1884年ウェズリー大学に入学、1895年ラドクリフ大学(1999年ハーバード大学に併合)に再入学。卒業後、1896年ハーバード大学天文台に就職し、以後45年間天体写真の分析に尽くした。初期にはピッカリングの助手として、恒星スペクトルのH・ドレーパー方式の分類計画に参加し、恩師の死後、主任研究員として計画完遂に尽力した。1924年待望の『H・ドレーパー星表』を刊行、22万5300個の恒星のスペクトルについて連続的分類を体系づけ、その後さらに13万個を追加した。イギリス王立天文学会名誉会員などの栄誉を受けた。

[島村福太郎]


キヤノン(株)
きやのん

カメラの世界トップメーカー。1933年(昭和8)に発足した精機光学研究所が前身。1935年に1号機カンノンカメラを完成、37年に株式会社化してキヤノンブランドで35ミリカメラを発売し、39年には日本初のX線間接撮影カメラを開発した。

 第二次世界大戦後早くから海外で高く評価され、1947年(昭和22)にキヤノンカメラ(株)と改称。1956年に8ミリカメラに進出、61年に「キヤノネット」を発売し、自動露出カメラのEEブームを巻き起こした。1970年には「キヤノンF1」でシステムカメラ時代を開き、76年にマイコン搭載の「キヤノンAE1」、78年にマルチモードの「キヤノンA1」を発売してカメラの電子化、自動化を実現した。さらに1959年以降、マイクロフィルム機器、電卓、複写機レーザービームプリンターOA機器、ビデオ機器と多彩な分野へ意欲的な事業の拡大を図った。この間社名も1969年に現社名に変更。資本金1747億円(2008)、売上高4兆4813億円(2007。連結ベース)。

[中村清司]

『キヤノン史編集委員会編『キヤノン史――技術と製品の50年』(1987・キヤノン)』

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改訂新版 世界大百科事典 「キャノン」の意味・わかりやすい解説

キヤノン[株]

日本の代表的なカメラ・メーカー。OA関連機器にも展開。世界的な技術力を保持し,製品の7割以上を輸出する。1933年,高級カメラづくりに熱意を燃やした前田武男らによって精機光学研究所として創業。2年後1号機を完成,観音の慈悲を願って〈カンノンカメラ〉と名づけたが,まもなく〈キヤノン〉に改めた。37年精機光学工業(株)を新たに設立した。39年に開発した国産初のX線カメラを含め,第2次大戦前は測距機など軍用光学機器を生産した。戦後はカメラづくりに専念することとし,47年には製品名に合わせて社名をキヤノンカメラ(株)とした。高い技術開発力をもって8ミリシネカメラ(1956),中級EEカメラ〈キヤノネット〉(1960)などを開発した。一方,経営多角化のために62年事務機械分野にも進出,64年にはテン・キー方式の電卓を開発,発売,これがヒットし,電卓はカメラに次ぐ経営の柱になった。複写機は65年に製品を初めて市場に出し,68年には国産初の普通紙コピー技術(NPシステム)を完成した。またマイクロフィルム機器,医療用・テレビ用カメラなど光学特殊機器の開発も著しい。この間70年に最高級システムカメラ〈キヤノンF-1〉を完成している。

 コンピューターなど成長分野への多角化をはかり,69年には社名をキヤノン(株)に変更した。資本金1744億円(2005年12月),売上高3兆7542億円(2005年12月期)。
執筆者:


キャノン
Walter Bradford Cannon
生没年:1871-1945

アメリカの生理学者。ハーバード大学で医学を修め,アメリカ生理学の創始者であるボウディッチH.P.Bowditchの下で研究を行った。1906年から42年まで同大学教授。はじめはパブロフ学派を中心として全盛だった消化生理学に手を染め,とくに機械的側面から研究をすすめ,1896年にはX線と造影剤による消化器の形態変化観察に成功した。20世紀に入ってからは,それを契機として感情の消化への影響効果に興味をもったが,その研究の結果,交感神経・副腎系の重要性を認識し,それを中心課題として系統的研究を始めた。1930年代に交感神経末端の化学伝達物質の研究に大きな成果を残し,一方で生体の制御の全体,とくに血液に関するさまざまな調節機構に注目し,C.ベルナールの〈内部環境〉を〈液体マトリックス〉として具体的に定式化し,1926年には〈ホメオスタシス〉概念を提出した。すなわち交感神経・副腎系をはじめとする複合的反応過程により,いかに生体の定常状態が保たれるのかを示したのであり,これは《からだの知恵》(1932)の中で十分に論じている。この成果は生体制御機械に関する神経・ホルモンの統合的役割の全体像についてのその後の研究に指導的役割を果たした。
執筆者:


キャノン
Annie Jump Cannon
生没年:1863-1941

アメリカの女流天文学者。デラウェア州に生まれ,ラドクリフ大学に学ぶ。ハーバード大学天文台長E.C.ピッカリングのもとで天体写真の測定などに従事するうち,星のスペクトル分類に熟達して第一人者となる。ピッカリングが創設したアルファベット記号のスペクトル型に数字の後添字をつけて細分し,さらにそれを温度順に並べ直して現用の分類システムを作った。全天の9等以上の星22万5000のスペクトルを1人で分類し,ヘンリー・ドレーパー星表全5巻(1918-24)を出版,後に2万個を追加した。これは今でも星の基礎資料として広く利用され,星はこのカタログ記載の番号でHD何番と呼称される。キャノンのほか,ピッカリングの門下には女流学者が多く,フレミングW.P.Flemming,モーリーA.Mauryも分類学者として知られる。
執筆者:

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知恵蔵 「キャノン」の解説

キャノン

聖書の外典に対して、公認された正典を表す語。転じて、標準、規準を意味するようになった。現代文芸批評では、アカデミズム、教育機関等において、偉大な、学ぶに値するとして権威づけられた文学作品を指す。欧米では、1970年代に入ると、白人男性中心主義によって有形無形に支配されてきた文学史やキャノン形成のメカニズムを、少数派民族、女性、同性愛者など、少数者の立場から批判的に読み直す試みが盛んになる。そうしたマイノリティーによる読み替え作業の進展は、80年代以降の、文化研究、フェミニズム批評、新歴史主義批評の興隆とも相まって、キャノンの大幅な組み替えをもたらした。その結果、それまで文学史や文学研究から排除されていた、少数派の文学が相当数、救い出された。こうした動向はほぼ10年遅れで日本にも及び、文学研究、文学批評の対象をたちまち、大きく様変わりさせた。しかし依然として残るのは、19世紀アメリカ家庭小説は、「偉大」なるシェークスピアと同じようには、読む者の心を魅了しないのではないか、という素朴な疑問である。文化の多元性、複数性に目を開くことと、その一方で、「偉大」な文学作品が美と意味とを生み出していくプロセスにもう一度目を向けること。この2つをいかに両立させて説いていくかが、文学研究、文学批評の今日的な課題となっている。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャノン」の意味・わかりやすい解説

キヤノン
Canon Inc.

カメラからパーソナルコンピュータ用プリンタ最大手に発展した精密機器メーカー。1933年精機光学研究所として発足,1937年株式会社に改組して精機光学工業と改称。1944年大和光学製作所を吸収。1947年キヤノンカメラと改称,1969年現社名に変更。1971年子会社のキヤノン事務機販売,キヤノン事務機サービス(いずれも 1968設立)とキヤノンカメラ販売(1969設立)が合併してキヤノン販売設立(2006キヤノンマーケティングジャパンに改称)。1961年 35mmカメラ「キヤノネット」を発売し,EEカメラ時代を喚起した。1964年電子式卓上計算機「キヤノーラ」を発売。1980年代から複写機やプリンタの分野へも進出し,カメラメーカーから OA機器総合メーカーへと発展した。海外進出にも積極的。

キャノン
Cannon, Walter Bradford

[生]1871.10.19. ウィスコンシン,プレーリードシーン
[没]1945.10.1. ニューハンプシャー,フランクリン
アメリカの生理学者。 1906年,ハーバード大学教授。生理学的研究にX線の使用を導入して消化管の機能を明らかにすると同時に,12年空腹時に起る胃痛の原因が胃壁のれん縮によるものであることを証明,15年には甲状腺腫を人工的に起させることに成功。また肉体的変調と苦痛,空腹,恐怖,怒りなどの感情との関連を証明した草分け的存在としても,高く評価されている。そのほか,一定の状況におけるストレスに対して,神経組織および副腎髄質がそれに順応して内臓器官を保護調整することを証明,人体の恒常性に関する概念を導き出した。神経系疾患の薬物治療,神経の摘出法に関しても先覚者の一人である。著書『人体の知恵』 The Wisdom of the Body (1932) は現代生理学の古典に数えられている。

キャノン
Cannon, James

[生]1864.11.13. メリーランド,ソールズベリー
[没]1944.10.6. シカゴ
アメリカの聖職者。 1888年南部メソジスト主教制教会に入り,1918~38年主教に在任。 19年世界禁酒同盟会長に就任。 30年株式投機の件でメソジスト団体に喚問され,のち連邦裁判所で収賄行為の嫌疑で告発を受け,宗教的影響力を失った。

キャノン
Cannon, Joseph Gurney

[生]1836.5.7. ノースカロライナ,ギルフォード
[没]1926.11.12. イリノイ,ダンビル
アメリカの政治家。イリノイ州選出の共和党連邦下院議員。 1903~11年連邦下院議長。保守派の政策に常に同調し,議長職権を保守派に有利に用いた。この方法は「キャノニズム」といわれたが,10年3月議長の中立が確定した。

キャノン

「キヤノン」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「キャノン」の意味・わかりやすい解説

キヤノン[株]【キヤノン】

1933年精機光学研究所として発足。35mm高級カメラで発展,1961年には中級機にも進出,全国市場の最大手のメーカー。ほかに各種光学機器,複写機,電卓,スキャナー,プリンターなどを生産。自社ブランド以外にHP,コダック,アップル各社とOEM契約で製品供給している。国際的にも知名度が高く,欧米向け複写機,プリンターが好調。デジタルカメラも世界首位。本社東京,工場玉川(神奈川),取手,宇都宮ほか。2011年資本金1747億円,2011年12月期売上高3兆5574億円。売上構成(%)は,オフィス54,コンシューマ37,産業機器他9。海外売上比率81%。
→関連項目キヤノン販売[株]

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「キャノン」の解説

キヤノン

正式社名「キヤノン株式会社」。英文社名「CANON INC.」。精密機器製造業。昭和8年(1933)前身の「精機光学研究所」創業。同12年(1937)「精機光学工業株式会社」設立。同22年(1947)「キヤノンカメラ株式会社」に改称。同44年(1969)現在の社名に変更。本社は東京都大田区下丸子。総合精密機械メーカー。OA機器・カメラなどを製造。レーザープリンター・複写機などでシェアトップクラス。東京(第1部)・名古屋(第1部)・札幌・福岡・ニューヨークの各証券取引所上場。証券コード7751。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「キャノン」の解説

キャノン Canon, Jack C.

1914-1981 アメリカの軍人。
1914年3月生まれ。第二次大戦後,占領軍の一員として来日。昭和22年諜報(ちょうほう)機関の一部隊キャノン機関のキャップとなり,27年3月に帰国。同機関が作家鹿地亘(かじ-わたる)を誘拐・監禁してスパイを強要した事件で,同年12月その存在が明るみにでた。1981年3月8日死去。67歳。テキサス州出身。オクラホマ大卒。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「キャノン」の解説

キヤノン

カメラやプリンターなどの製造、販売を行う精密機器メーカー。1937年設立。デジタルカメラ、ビデオカメラのIXYシリーズやプリンターのPIXUSシリーズを販売している。

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とっさの日本語便利帳 「キャノン」の解説

キヤノン

CANON=観音(熱心な観音信仰者であった設立者の一人が命名。当初は旧仮名遣いで「KWANON」だった)

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世界大百科事典(旧版)内のキャノンの言及

【ホメオスタシス】より

…生物の生理系(たとえば血液)が正常な状態を維持する現象を意味する言葉で,〈等しい〉とか〈同一〉という意味のhomeoと,〈平衡状態〉〈定常状態〉の意味のstasisを結びつけて,アメリカの生理学者キャノンW.B.Cannonが1932年に提唱したもの。恒常性とも訳される。…

【食欲】より

…実際には,両説を総合した説が最も妥当であるが,1950年以降の多くの研究結果から中枢説がより重視されている。
[末梢説]
 1912年にW.B.キャノンらは胃が空のときに起こる強い胃の空腹収縮が空腹痛を生じ,これが食欲の発生に直接に関係するという見解を出した。その後,16年にL.カールソンはこの見解をさらに進めて,食欲や満腹感は胃収縮の強弱や有無によって形成され,それが迷走神経を介して脳へ伝えられるという説をたてた。…

【ホメオスタシス】より

…生物の生理系(たとえば血液)が正常な状態を維持する現象を意味する言葉で,〈等しい〉とか〈同一〉という意味のhomeoと,〈平衡状態〉〈定常状態〉の意味のstasisを結びつけて,アメリカの生理学者キャノンW.B.Cannonが1932年に提唱したもの。恒常性とも訳される。…

※「キャノン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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