精錬を終え、固める直前にケイ素やアルミニウムを少量添加し、鋼中に溶けている酸素を安定な酸化物に変えた鋼。古くは鎮静鋼と称した。鋼中に酸素が残存すると凝固の際に一酸化炭素が発生して沸騰状態となり、盛んに火花が散るが、ケイ素やアルミニウムなどの脱酸剤を添加すると沸騰現象がみられず、静かに凝固するのでこの名がある。凝固に際して一酸化炭素の発生がないので、固化した鋼塊は気泡を含まず、比較的均質である。鋼に溶けている微量の窒素は鋼を放置しておく間に窒化鉄を形成するなどして鋼の降伏点を高めるが、キルド鋼中の窒素はアルミニウムと結合して窒化鉄をつくらないので、アルミニウムで脱酸をしないリムド鋼と比較して、キルド鋼では降伏点が低く、このためにプレス成形が容易である。材質が均質微細であるために強靭(きょうじん)で、とくに低温でも靭性を保つので低温用にも用いられる。
[須藤 一]
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…連続鋳造は,非鉄金属では早くから行われてきたが,近年では鉄鋼にも普及し,1980年には日本の粗鋼生産量の60%以上が連続鋳造で生産されるようになった。 造塊法でつくる鉄鋼のインゴットには,製造上からキルド鋼killed steel,セミキルド鋼semi‐killed steel,リムド鋼rimmed steel,キャップド鋼capped steelに分けられ,それぞれ溶鋼の脱酸形式が異なり,独特の凝固パターンを示している(図)。製鋼法における重要な反応は,溶鉄に添加された酸素が溶鉄中の炭素と化合してガス(一酸化炭素)を生ずる反応である。…
…上注法は安価であるが,注入の際の表面気泡の発生,鋼塊割れなどが起こりやすく,注入速度と温度の調節が重要である。下注法はキルド鋼など良質の鋼塊をつくる場合に多く用いられる。 鋼塊は溶鋼の脱酸形式によってリムド鋼,キルド鋼,セミキルド鋼に分類される。…
※「キルド鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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