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キルド鋼 キルドこうkilled steel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キルド鋼
キルドこう
killed steel

脱酸鋼,鎮静鋼とも呼ばれる。鋼を溶解するとき中に混入してくる空気中の酸素を,アルミニウムフェロマンガンケイ素鉄などの強脱酸剤を添加して除去した鋼をいう。溶解精錬後の溶鋼に対し炉内脱酸,取鍋脱酸,鋳型内脱酸の3段階で行われる。鋼中の酸素を除去するため,凝固中に炭素と酸素の反応による炭酸ガスの発生がなく,静かに凝固し,内部に気泡を生じない。鋼塊頂部に収縮孔ができるため,歩どまりが低いが,連続鋳造法ではこれらの点が改善される。一般に鋼鋳物鋳鋼品として用いられる鋳鋼は,キルド鋼に属する。

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百科事典マイペディアの解説

キルド鋼【キルドこう】

鎮静鋼とも。溶鋼を鋼塊に鋳込むとき,ケイ素,アルミニウムなどの強脱酸剤で脱酸した鋼。炭酸ガスを発生せず静かに凝固して,内部まで均質な鋼塊ができる。旋削,熱処理など加工を要する用途に向く。

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大辞林 第三版の解説

キルドこう【キルド鋼】

炭素鋼の製法による分類の名称の一。溶融状態の鋼にケイ素やアルミニウムのような脱酸剤を加えて酸化物を取り除いて作った鋼。鎮静鋼。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キルド鋼
きるどこう
killed steel

精錬を終え、固める直前にケイ素やアルミニウムを少量添加し、鋼中に溶けている酸素を安定な酸化物に変えた鋼。古くは鎮静鋼と称した。鋼中に酸素が残存すると凝固の際に一酸化炭素が発生して沸騰状態となり、盛んに火花が散るが、ケイ素やアルミニウムなどの脱酸剤を添加すると沸騰現象がみられず、静かに凝固するのでこの名がある。凝固に際して一酸化炭素の発生がないので、固化した鋼塊は気泡を含まず、比較的均質である。鋼に溶けている微量の窒素は鋼を放置しておく間に窒化鉄を形成するなどして鋼の降伏点を高めるが、キルド鋼中の窒素はアルミニウムと結合して窒化鉄をつくらないので、アルミニウムで脱酸をしないリムド鋼と比較して、キルド鋼では降伏点が低く、このためにプレス成形が容易である。材質が均質微細であるために強靭(きょうじん)で、とくに低温でも靭性を保つので低温用にも用いられる。[須藤 一]

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世界大百科事典内のキルド鋼の言及

【インゴット】より

…連続鋳造は,非鉄金属では早くから行われてきたが,近年では鉄鋼にも普及し,1980年には日本の粗鋼生産量の60%以上が連続鋳造で生産されるようになった。 造塊法でつくる鉄鋼のインゴットには,製造上からキルド鋼killed steel,セミキルド鋼semi‐killed steel,リムド鋼rimmed steel,キャップド鋼capped steelに分けられ,それぞれ溶鋼の脱酸形式が異なり,独特の凝固パターンを示している(図)。製鋼法における重要な反応は,溶鉄に添加された酸素が溶鉄中の炭素と化合してガス(一酸化炭素)を生ずる反応である。…

【製鉄・製鋼】より

…上注法は安価であるが,注入の際の表面気泡の発生,鋼塊割れなどが起こりやすく,注入速度と温度の調節が重要である。下注法はキルド鋼など良質の鋼塊をつくる場合に多く用いられる。 鋼塊は溶鋼の脱酸形式によってリムド鋼,キルド鋼,セミキルド鋼に分類される。…

※「キルド鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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