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出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
中央アンデスの古代住民が考案した表記用の縄。結節の数と位置によって数字を表すと同時に,色分けして対象の種類を示した。本来は家畜の数の記録に使われたらしいが,インカ時代には人口統計にも有効に利用された。キープは,文字使用を禁止された江戸時代の沖縄で考案された「藁算(わらざん)」に似ている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…文字をもたない未開社会にはしばしばこのような習慣があり,中国,日本,南北アメリカ,オーストラリアなどにそのなごりをとどめている。とくに古代ペルー(インカ帝国)のキープquipuと沖縄の藁算(わらざん)は有名である。インカにおけるキープは文字に代わる唯一の記録法で,これを使ってインカは自国の人口調査や統計,穀物倉庫の貯蔵量,軍隊の人数,採金の量などあらゆるものを記録し,統計をとって保存していた。…
…沖縄の藁算以上に高度と思われるものに古代ペルー(インカ)の結縄がある。これはキープquipuと呼ばれ,紐上の結びの位置による桁の表示,さらに紐の色分けによって物品の内容を表現した。このキープをつかって人口調査や統計,穀物倉庫の貯蔵量,軍隊の数,採金の量などあらゆるものを記録し,統計をとって保存していたが,それを読む〈キープ・カマヨ〉と呼ばれる専門家もいた。…
…やや進んだ形式を備えるようになったのはノルマン人騎士たちの居城で,〈モット・アンド・ベーリーmotte and bailey〉システムと呼ばれる。モットは小丘のことで,円形の空堀を掘り,その土で中央に小山を築き,その頂上に丸太杭を密接させて打ち込んで円塔形の天守(キープkeep,ドンジョンdonjon)をつくり,それを城主の居館とした。こうした内郭の一端に隣接して,より広い敷地を囲んで外郭の堀を掘り,周辺に柵を打ち込んで,一族郎党の居住家屋を設けた。…
…城郭の中枢部に建てられた多層の櫓(やぐら)建築。ヨーロッパの中世の城のキープ,ドンジョンなどと呼ばれる塔とくらべられるが,日本の天守は,城が防戦と指揮という軍事機能に加えて,城主の権威の象徴という政治機能を発揮するようになってから形式が確立したので,政治的な性格が強い。政治の拠点としての近世城郭には不可欠の要素となったが,実際は天守のない城や,計画されたが天守台だけ築いて天守は建てられない場合もあった。…
※「キープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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