クマツヅラ科(読み)クマツヅラか(その他表記)Verbenaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クマツヅラ科」の意味・わかりやすい解説

クマツヅラ科
クマツヅラか
Verbenaceae

双子葉植物シソ目の1科。世界の熱帯亜熱帯地方を中心に約 100属 3000種が分布し,日本にもムラサキシキブ属 Callicarpaをはじめ多数の属と種類がある。科全体としては高木低木多年草などさまざまである。また,熱帯にはつる性のもの,乾燥地域ではとげをもつ種類が多数みられる。葉はおおむね対生,ときに輪生する。花は多数集って穂状,総状などの花序 (→穂状花序 , 総状花序 ) となり,ランタナ属 Lantanaのように頭状の花序 (→頭状花序 ) をつくるものもある。個々の花は5数性の両性花で,合弁花冠をもち,この花冠は通常左右対称形となる。おしべは普通4本,めしべの子房も4室のものが多い。熱帯材の原木として有名なチークや,ランタナ,ビジョザクラ (美女桜)など観賞用園芸植物を含む。海岸によく群生するハマゴウ (蔓荊)もこの科の植物である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クマツヅラ科」の意味・わかりやすい解説

クマツヅラ科
くまつづらか
[学] Verbenaceae

双子葉植物、合弁花類。草または木。葉は対生か輪生し、托葉(たくよう)はない。花は両性で左右相称、花冠は筒状または唇形で4、5裂する。雄しべは4本、まれに2または5本のものもあり、花冠裂片に互生する。子房は上位につき2~4室、胚珠(はいしゅ)は各室に1、2個ある。果実は痩果(そうか)、核果または分果。世界に約100属2600種がおもに熱帯から亜熱帯に分布し、日本にクサギ属、ムラサキシキブ属など7属22種が野生し、ほかに帰化種や栽培種にバーベナ属やランタナ属などがある。有用材のチークもこの科の仲間である。

[高橋秀男 2021年10月20日]

 APG分類でもクマツヅラ科とされる。大きな科だったが、クサギ属やハマゴウ属など多くの属がシソ科に移り、ヒルギダマシキツネノマゴ科に移ったり、ハエドクソウがハエドクソウ科として独立したりするなどして、この分類による2018年のデータでは世界に31属831種があるとされる。日本にはイワダレソウとクマツヅラがあり、その他に栽培種や帰化種が多い。

[編集部 2021年10月20日]

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世界大百科事典(旧版)内のクマツヅラ科の言及

【クマツヅラ】より

…野原や低地の道端に生える,高さ30~80cmのクマツヅラ科の多年草(イラスト)。茎は直立して方形,まばらに毛がある。…

※「クマツヅラ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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