クマバチ(英語表記)Xylocopa appendiculata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クマバチ
Xylocopa appendiculata

膜翅目ミツバチ科。体長 23mm内外。体は短太,黒色で光沢があり,胸側と胸背は中胸背板中央の平滑部を除き黄色の長毛が密生する。頭部,腹部の毛は黒色で,雌は頭頂に黄色毛のあるものが多い。雌では頭部は大きく,複眼は比較的小さいが,雄では頭部は小さく,複眼は比較的大きく,顔面に黄色部がある。翅は黒褐色で紫色光沢がある。枯れた木材の中にトンネルを掘って営巣する。本州,四国,九州,屋久島,対馬,朝鮮,中国に分布し,日本産は亜種 X. a. circumvolansという。なお奄美大島,徳之島,宝島 (吐 噶喇列島) には頭頂と胸部の毛が白いセジロクマバチ X. amamiensisを,八重山諸島には前種に似るが肢の毛が赤褐色のアカアシセジロクマバチ X. albinotumを,沖縄本島には全体黒色のオキナワクマバチ X. okinawanaを産する。

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百科事典マイペディアの解説

クマバチ

膜翅(まくし)目コシブトハナバチ科の昆虫の1種。体長23mm内外,黒色,胸部は黄色の毛を密生。北海道を除く日本,朝鮮,中国に分布。雌は枯木などに穴をあけ,数室に区切って花粉と蜜をたくわえ幼虫の餌とする。捕えない限り人を刺すことはない。クマバチ類は熱帯地方に種類が多い。なお俗称のクマバチ(クマンバチ)はスズメバチ類のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クマバチ
くまばち / 熊蜂
carpenter bee

昆虫綱膜翅(まくし)目コシブトハナバチ科のクマバチ属Xylocopaの総称。クマンバチともいう。大形の花に集まるいわゆるハナバチで、主として熱帯地方に繁殖するが、寒冷地を除く世界各地に分布し、1属で500余種が知られ、体長22ミリメートル内外。成虫は春先に活動し、交尾後は枯れ枝や木造家屋の垂木(たるき)などの堅い木材中に穴をあけて、奥から順に数個の育房をつくる。台湾以南には竹材中の空洞に営巣する種類もある。日本ではフジやキリの花に多く集まる。梅雨(つゆ)明けころに羽化した雌雄の成虫は翌春まで同じ巣に母バチと同居するが、この間長い時間をかけて内部生殖器が発達していく。母バチは1年半ぐらい生存する。卵は長大で約15ミリメートル、育房に1個ずつ産みつける。日本には北海道を除く各地にクマバチXylocopa appendiculata circumvolansが普通。また、南西諸島には固有種アシグロセジロクマバチX. amamensis、オキナワクマバチX. flavifrons、アカアシセジロクマバチX. albinotumを産する。このような小島弧に3種もの固有種を産することは世界的にも類のない珍しい現象である。小笠原(おがさわら)諸島には固有種オガサワラクマバチX. ogasawarensisを産する。クマバチには天敵らしいものはほとんどみつかっていないが、高知県では甲虫類のトサヒラズゲンセイ(ツチハンミョウ科)がクマバチの巣に寄生する。[平嶋義宏]

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