クリス(英語表記)keris

デジタル大辞泉 「クリス」の意味・読み・例文・類語

クリス(〈フランス〉coulisse)

ひもやゴムを通すための穴、折り返し。シャツコートウエストにひも通しをつけたものや、パンツのウエストをひも留めにしたものなどがある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クリス」の意味・わかりやすい解説

クリス
keris

インドネシア,マレーシアの短剣。この地域にインド的な諸王国が発展した8世紀ごろよりその存在が伝えられ,元来は武器であるとともに王室の宝器として重要であった。現在では結婚式などで男子の正装の一部として腰にさして用いられ,またバリ島におけるように舞踊にも用いられる。過去の王朝時代の作とされる古いクリスは,それぞれ独自の個性と呪的・神秘的力を帯びるものと信じられ,護身破邪の呪物的家宝として大切に保管され,定期的に花,香,米飯などを供えられる。刃はニッケル鉄・隕鉄製で,両刃で先が鋭く,通常の短剣のごとく真っ直ぐなものと,波形にうねった特有の形をもつものとの2種がある。刃の表面には特別な鍛造技術により,波様,花様などの灰白色の紋がうかぶ。刃の形と紋には多くの種類があり,それぞれ固有の名称と神秘的意味が与えられている。柄は木,牛角,象牙などで作られ彫刻が施され,鞘は木製で,しばしば金銀薄板製の覆いを施される。なお,日本の弥生時代遺跡から出土する銅戈が,この短剣に似た形をもつことから,かつて〈クリス形銅剣〉と呼ばれたことがある。
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クリス
Ernst Kris
生没年:1900-57

オーストリア生れの精神分析学者。H.ハルトマン,レーウェンシュタインR.Löwensteinとともに,自我心理学の発展に貢献した。ウィーン大学美術史を修めた後,精神分析に関心をもち,1938年以後ロンドン,ニューヨークで研究と指導に当たった。芸術の精神分析的研究,とくに芸術創作の過程を研究し,精神分析の研究対象を,病的な心理から,健康な自我活動や創造性の解明へと発展させる上で,大きな功績を残した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクリスの言及

【ジプシー】より

… ジプシーは流浪する場合,数家族から十数家族,100名ぐらいを単位として,つかず離れずに移動するが,その範囲は一定の地域に限られているのが普通であり,移動中の連絡には,パトランpatrinと称する標識が使われる。各グループには,全体を取りしきる首長がいて,クリスkrisと称する代表者会議で,もめごとその他を処理している。ジプシーがこれ以上の大きな集団を組織することはない。…

※「クリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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