ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クローマー(伯)」の意味・わかりやすい解説
クローマー(伯)
クローマー[はく]
Cromer, Evelyn Baring, 1st Earl of
[没]1917.1.29. ロンドン
イギリスの植民地行政官。初め砲兵士官であったが,1872年従兄にあたるインド総督ノースブルック卿の私設秘書としてインドにおもむく。 77年以降エジプトおよびインドの財政改革に関与して手腕を認められ,83年イギリスの軍事占領下のエジプト駐在総領事に任命された。以後 1907年まで,エジプトの事実上の支配者として国家財政の再建や鉄道,司法,教育の改革に尽力し,スーダンからの撤収と再征服も彼の主管のもとで行われた。 04年の英仏協商でフランスにイギリスのエジプト支配を承認させるまでの交渉でも,重要な役割を演じた。その功により,男爵 (1892) ,子爵 (99) ,伯爵 (1901) を授けられた。
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