翻訳|guava
フトモモ科(APG分類:フトモモ科)の常緑小高木。バンザクロ(蕃石榴)、バンジロウともいう。熱帯アメリカ原産。紀元前800年、すでにペルーでインディオが果実を利用していた。いまでは世界の熱帯ないし亜熱帯に伝わり帰化植物として、ニュー・カレドニア、フィジーなどでみられるように繁殖しすぎて害をなしている所もある。沖縄にも古く伝えられた。分枝が多く葉は草質で卵形または長楕円(ちょうだえん)形で交互に対生、つぶすと強い芳香がある。花は腋生(えきせい)し径約3センチメートル、多くは単生する。他家受精率が高い。果実は球形、倒卵球形または洋ナシ形で長さ5~10センチメートル、径5~7センチメートルで宿存萼(がく)がある。熟果は表面は滑らかで黄ないし黄白色を呈し芳香がある。果肉は淡黄ないし黄白色または淡紅紫色で甘味があり、パルプ状の心部には多数の小さな硬い種子がある。栽培品種のなかには1果で400グラムを超える品種もある。繁殖は実生(みしょう)による場合が多いが、共台(ともだい)利用による芽接ぎ、切り接ぎも多い。栽植は5~10メートル間隔にするとよい。近縁種にストロベリーグアバ、コスタリカグアバ、ブラジルグアバなどがある。
[飯塚宗夫 2020年8月20日]
果実、葉にビタミンCが多く、果実にはビタミンAも多い。果実は生食のほか、保健飲料としてのグアバジュースの原料とする。ゼリーとしての利用も多い。ジャムや缶詰にもし、シチューやタルトにも用いる。葉は保健用として煎(せん)じて用いられ、タンニンが多いので黒色染料とする。材は緻密(ちみつ)で細工用に、インドでは生木(なまき)をラックカイガラムシ(分泌物を塗料に用いる)の飼養に供する。
[飯塚宗夫 2020年8月20日]
フトモモ科の常緑低木で,その果実からは果物ジュースのなかで最もビタミンに富むグアバ・ジュースができ,これは保健食品として価値が高い。バンジロウともいう。近年,その葉を用いたグアバ茶は高血圧に有効といわれる。熱帯アメリカが原産地であり,新大陸発見後,急速に世界の熱帯~亜熱帯域に広がった。台湾には17世紀に伝播(でんぱ)し,沖縄にもそのころ渡来した。果実はセイヨウナシ形が多く,果頂部に萼片が残り,ザクロに似るため,バンザクロ(蕃石榴)の別名もある。果肉は白色,桃色,紅色など変異に富む。果実にはゴマ粒大の種が多く鳥によって伝播しやすく,熱帯の離島に野生化した林もみられる。花は白く腋生(えきせい)である。果実は生食するが,最大の用途はジュース生産である。ペクチンを含むので砂糖を加えて煮るとジャムができる。シチュー料理にも適する。葉を茶に利用する風習が台湾にある。飼料にも利用される。近縁種にテリハバンジロウP.cattleianum Sabine(英名strawberry guava)と呼ばれる,小果実で庭園樹となるものがある。
執筆者:岸本 修
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…メソポタミア最南部,古代シュメール地方の都市。前3千年紀中葉の初期王朝期III期にはギルスGirsu(現遺跡名テルローTelloh),ラガシュ(現名ヒバal‐Hiba),シララSirara(現名スルグルSurghul),グアバGuabba(現名不明)の主要4地区がラガシュ都市国家を構成していた。主王宮はギルスに存在し,ギルス,ラガシュ,シララは運河により連結し,グアバはこれらより数十km離れていたらしい。…
※「グアバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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