グレシャムの法則(読み)ぐれしゃむのほうそく(英語表記)Gresham's law

翻訳|Gresham's law

日本大百科全書(ニッポニカ)「グレシャムの法則」の解説

グレシャムの法則
ぐれしゃむのほうそく
Gresham's law

イギリスのT・グレシャムが16世紀に唱えたもので、「悪貨は良貨を駆逐する」ということばで有名な法則。ある社会において、貴金属としての素材価値が異なる2種類以上の貨幣が同一額面価格で流通する場合、素材価値の優れた貨幣(良貨)はその価値ゆえに退されたり、溶解されて地金にされたり、輸出されたりなどして流通市場から駆逐され、素材価値の劣悪な貨幣(悪貨)だけが流通するようになることをいう。この現象それ自体は古くから観察されてきたものであるが、それが法則として有名になったのは、グレシャムがエリザベス女王(1世)に貨幣悪鋳の弊害を除去するよう提唱し、のちにH・D・マクラウドがその著『政治経済学の諸要素』(1858)で法則として命名したことによる。

[外山茂樹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「グレシャムの法則」の解説

グレシャムの法則
グレシャムのほうそく
Gresham's law

イギリスの T.グレシャムが唱えたとされている法則で,「悪貨は良貨を駆逐する」 Bad money drives out goodという言葉で有名。一つの社会で,名目 (額面) 価値は等しいが素材価値の異なる2種類の貨幣が同時に流通する場合には,素材価値が高いほうの貨幣はその素材自体の価値のために退蔵されたり,つぶされたり,海外に流出したりするため,実際に市場に流通するのは,素材価値の低いほうの貨幣だけになるというもの。

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百科事典マイペディア「グレシャムの法則」の解説

グレシャムの法則【グレシャムのほうそく】

英国の財政家グレシャムT.Gresham〔1519ころ-1579〕の唱えた〈悪貨は良貨を駆逐する〉という法則。素材価値の異なる2種以上の通貨が同一の名目価値で流通する時は,素材価値の高い貨幣は,鋳つぶし,輸出,退蔵などによって流通面から姿を消していき,素材価値の低い貨幣が流通するようになること。

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精選版 日本国語大辞典「グレシャムの法則」の解説

グレシャム の 法則(ほうそく)

グレシャムが唱えた「悪貨は良貨を駆逐する」という法則。一国内で、実質価値の異なる貨幣が同一の貨幣価値でともに流通する場合、実質価値のまさる良貨は鋳つぶし・退蔵・国外流出などによって流通面から姿を消す現象をいう。〔舶来語便覧(1912)〕

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デジタル大辞泉「グレシャムの法則」の解説

グレシャム‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【グレシャムの法則】

一つの社会で材質の悪い貨幣と良質の貨幣とが同一の価値をもって流通している場合、良質の貨幣は退蔵・溶解・輸出などで市場から消えて、悪い貨幣が流通するという法則。グレシャムが唱えた。「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉で有名。

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世界大百科事典 第2版「グレシャムの法則」の解説

グレシャムのほうそく【グレシャムの法則 Gresham’s law】

〈悪貨は良貨を駆逐するBad money drives out good.〉という法則。同じ額面価格で通用し,しかも一枚あたりの金の含有量の異なる2種類の金貨があるとしよう。公衆は,日々の支払にはもっぱら金の含有量の少ないほうの鋳貨(悪貨)を用い,多いほうの鋳貨(良貨)を退蔵するであろう。つまり良貨は流通過程から駆逐されることになる。1560年イギリス人グレシャムThomas Gresham(1519‐79。

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世界大百科事典内のグレシャムの法則の言及

【価原】より

…題名は価(賃金,物価)とは何か,価の本質,の意。河上肇が1905年《国家学会雑誌》で,ついでまた福田徳三が,それが貨幣数量説(〈金銀多ければ物価貴し金銀少ければ物価賤し〉),グレシャムの法則(〈悪幣盛んに世に行はるれば精金皆隠る〉)を主張していることを指摘して以来,江戸時代の経済論,貨幣論の傑出したものとして有名になったが,論は広く政治政策論にも及んでいる。梅園が,明治時代一般に知られるようになったのは,この1編によってである。…

※「グレシャムの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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