券面金額を支払うと約束した債務証書で、支払いを信認する人々の間で流通し、その結果貨幣機能を果たすものをいう。具体的には商業手形、銀行券、預金通貨などをさすが、信用貨幣の流通は、近代的信用制度の発展とともに拡大してきた。信用貨幣はまず、商品の掛け売買に伴う支払約束書(商業手形)が債権者によって裏書譲渡されることによって購買・支払手段として用いられたことに始まり、この手形流通を基礎として銀行の一覧払債務証書である銀行券の流通へと進んだ。銀行券の流通は、商業手形の流通(商業信用)を代位する形、すなわち手形の割引によってなされるが、券面金額の小額化、統一化によって、しだいに商取引の分野だけでなく小口取引の分野においても流通するようになった。さらに、中央銀行による銀行券発行の集中・独占化、中央銀行券への法貨規定の付与によって銀行券の統一が進み、現金化するに至ると、中央銀行に発券機能を奪われた預金銀行は、小切手制度や帳簿振替取引の発展のなかで、銀行券にかわる信用創造の手段として預金通貨(当座預金)を生み出し、それが今日、商品取引における中心的な信用貨幣の地位を占めている。
なお、不換化した今日の中央銀行券を信用貨幣とみるべきか否かについては見解が分かれており、また、金との交換性が停止された国際通貨ドルの流通根拠に関連して、近年改めて信用貨幣の定義をめぐる議論が活発化している。
[齊藤 正]
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