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グレーブズ Graves, Morris (Cole)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グレーブズ
Graves, Morris (Cole)

[生]1910.8.28. オレゴン,フォックスバレー
[没]2001.5.5. カリフォルニア,ロレタ
アメリカの画家。ほとんど独学で絵を学び,1936年シアトル美術館で最初の個展を開催後,アメリカ画壇の第一線で活動。画風はほとんど抽象画に近く,水墨画や東洋哲学の影響もみられる。東洋哲学特に禅の研究家でもあり,日本と中国を訪れている。主要作品は『盲目の鳥』 (1940,ニューヨーク近代美術館) ,『千鳥の飛翔』 (55,ホイットニー美術館) など。

グレーブズ
Graves, Robert Ranke

[生]1895.7.24. ウィンブルドン
[没]1985.12.7. マヨルカ島
イギリスの詩人。アイルランドの詩人を父にもち,母方にはドイツの歴史家ランケがいる。第1次世界大戦に参加後,オックスフォード大学に学ぶ。典型的なジョージ朝の戦争詩人として出発したが,アメリカの女流詩人ローラ・ライディングとの出会いによって,ロマン主義的詩風を脱し,現代の苦悩の救済を秘儀的な恋愛体験に求める詩を追究した。自伝『すべてのものへの別れ』 Good-Bye to All That (1929) は大戦回顧録としても興味深いが,率直に戦後世界への幻滅を語り,強い衝撃を与えた。 1929年以後,ライディングとともに地中海のマヨルカ島に定住,隔絶された生活をおくった。詩集には初期の代表作『姿見』 The Pier Glass (21) をはじめ『全詩集』 Collected Poems (59) など,小説にはローマ皇帝の自伝に取材した歴史小説の傑作『われクローディアス』I,Claudius (34) がある。続いて『神クローディアス』 Claudius the God (34) ,『金の羊毛』 The Golden Fleece (44) などを出したが,後者の資料調べから広範な神話研究へと進み,詩論『白い女神』 The White Goddess (48) では,連綿と続く女神信仰の存在を主張,独自の神話体系を構築した。ほかに『イエス王』 King Jesus (46) ,『ギリシア神話』 The Greek Myths (55) ,『ルバーイヤート』の翻訳 (共訳,67) など。 61~66年オックスフォード大学詩学教授。

グレーブズ
Graves, Thomas,1st Baron Graves

[生]1725頃
[没]1802
イギリスの海軍軍人,提督。グレーブス男爵家初代。 1781年7月イギリス艦隊を率いて独立戦争中のアメリカ植民地を攻撃したが,同年9月5日グラス提督指揮下のフランス艦隊に敗れた。

グレーブズ
Graves, Michael

[生]1934.7.9. インディアナ,インディアナポリス
[没]2015.3.12. ニュージャージー,プリンストン
アメリカ合衆国の建築家,デザイナー。1958年シンシナティ大学カレッジ・オブ・デザインを卒業,1959年ハーバード大学大学院で修士号を取得。1960年にローマ賞を受賞,同 1960~62年イタリアのローマにあるアメリカン・アカデミーに留学し,古代ローマ建築を研究する。1962年に帰国したのちプリンストン大学で教鞭をとり,およそ 40年にわたり学生を指導した。初期の活動はピーター・アイゼンマンらとニューヨークファイブまたはホワイト派と呼ばれ,ル・コルビュジエの建築言語を操作的に用いた住宅作品を多く設計したが,しだいに歴史的なモチーフを大胆に引用する作風へと転じ,ポスト・モダニズムの中心的存在となった(→ポスト・モダン建築)。ポートランド市庁舎(1982)では基壇,胴部,頭部という古典的な三分割構成を強調し,建築に象徴的意味を付加した。ヒューマナ・ビルディング(1985)もポスト・モダン建築として有名。1990~91年にフロリダ州にあるウォルトディズニーワールドにスワンホテル,ドルフィンホテルを設計,ハクチョウやイルカをモチーフに非日常的な雰囲気をつくりだした。1999年ナショナル・メダル・オブ・アーツ,2001年アメリカ建築家協会のゴールドメダルを受賞。2014年キーン大学にマイケル・グレーブズ・スクール・オブ・アーキテクチャーが設立された。

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百科事典マイペディアの解説

グレーブズ

英国の詩人小説家。父はアイルランドの詩人。第1次大戦に参加後,自伝《さらば古きものよ》(1929年)で伝統を批判。歴史小説《われクローディアス》(1934年),《詩集》,詩論《白い女神》(1948年)などが代表作

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世界大百科事典 第2版の解説

グレーブズ【Robert Graves】

1895‐1985
イギリスの詩人,小説家,批評家。第1次大戦の経験を歌った《詩集1914‐1926》によって戦争詩人として注目され,自伝《古いものよ,さようなら》(1929)によって古い価値観念を鋭く批判した。アメリカの女流詩人ローラ・ライディングと共著で《モダニズム詩の展望》(1927)を発表。ローマ時代に題材を取った二部作《われ,クローディアス》《神クローディアス》(ともに1934)など,歴史小説に独特な境地をひらいた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グレーブズ
ぐれーぶず
Robert Ranke Graves
(1895―1985)

イギリスの詩人。7月24日、アイルランドの民謡研究家で詩人の父と、ドイツの歴史学者ランケの血を引く母との間にウィンブルドンで生まれる。オックスフォード大学在学中に第一次世界大戦に参加、まずジョージ王朝詩風の戦争詩人として登場した。『妖精(ようせい)たちと火打銃兵たち』(1917)はこの期の作品。戦後、弾丸衝撃による強迫観念を伴ったロマン主義的な詩集『姿見』(1921)を発表するが、アメリカの女流詩人ローラ・ライディングLaura Riding(1901―1991)との交際によって作風が変貌(へんぼう)し、簡潔で、しかも厳しく苦い、男女の愛を歌った作品を発表するようになる。ケルト神話や原始キリスト教についての博学な知識に基づいて、奔放な想像力をめぐらせ、「白い女神」と名づける美神を結晶させ、自らその使徒となる。問題の神話体系『白い女神』(1948)は「詩的神話の歴史的文法」と副題を付したように、この女神を文化人類学的、比較神話学的に系統づけた現代の奇書である。
 ほかにライディングとの共著『モダニスト詩の展望』(1927)や、博識を駆使して歴史小説にも筆を染め、帝政ローマに材をとった『私クラウディウス』(1934)、『神クラウディウス』(1934)という華麗な二部作もある。また『ベリサリウス伯』(1938)、ギリシア神話の集大成『ギリシア神話』(1955)などもある。1929年以降は地中海のスペイン領マジョルカ島に居を定め、1961年から4年間オックスフォード大学詩学教授を務めた。1985年12月7日没。[出淵 博]
『成田成寿訳『世界名詩集大成10 自選詩集』(1959・平凡社) ▽篠田一士他訳『世界文学全集35 時間・白い女神他』(1959・集英社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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