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ケカビ Mucor

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世界大百科事典 第2版の解説

ケカビ【Mucor】

接合菌類ケカビ科の代表的なカビ。菌糸から長胞子囊柄が2~3cmぐらいまで伸び上がり,先に灰色~黒色~褐色の球状の胞子囊をつける。胞子囊中に無数の胞子がある。全体がけばだって見えるので,ケカビと名づけられた。雌雄異株と同株があり,有性生殖をして黒色で金平糖状の接合胞子をつくる。米飯,餅,パンなどデンプン質の食品に普通にみられるが,動物の糞にもよく発生する。腐生的であり,デンプン糖化力が強いものはアルコール製造工業に利用され,とくにアジア地域ではコーリャン酒の麯子(きよくし)製造など醸造微生物の一つとなっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケカビ
けかび
[学]Mucor

接合菌類、ケカビ目に属するカビ。ムコールMucorの語がラテン語でカビを意味するように、カビの代表ともいえる群である。自然界の至る所に分布するが、とくにデンプン質の食品や草食動物の糞(ふん)の上によく繁殖し、150種ほどが知られている。菌糸は基物の内外に広がって伸長する。匍匐(ほふく)菌糸は分岐するが隔壁はなく、気中菌糸は毛髪状で高さ数センチメートルにもなる。気中菌糸は直立し、胞子嚢(のう)柄となるが、分岐するものと、しないものがある。胞子嚢柄の先端には胞子嚢が形成され、中に胞子嚢胞子が含まれる。胞子嚢の外膜は薄く、成熟したときに胞子が分散されるが、外膜の外れ方には、溶ける場合と裂ける場合がある。胞子嚢胞子が分散したあとには、中軸が胞子嚢柄の先端に残るが、中軸は胞子嚢柄が胞子嚢中に突出した部分で、球形ないしは卵形である。有性生殖は接合胞子の形成によるが、雌雄異株のものが多い。この属のカビは、乳腐や有機酸の製造などに利用される。[曽根田正己]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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