改訂新版 世界大百科事典 「ゲンペイクサギ」の意味・わかりやすい解説
ゲンペイクサギ
brokenheart
Clerodendrum thomsonae Balfour
クマツヅラ科クサギの仲間で,外側の萼は白く中心の花弁が赤く紅白の対照が美しいので,地植えや鉢植えとして栽培される。ゲンペイクサギの名は花の紅白から名づけられた。西アフリカ原産の半つる状の常緑無毛の低木で高さは4~5m,幹は細く葉は対生する。葉は卵状楕円形で先はとがり,葉面の葉脈はくぼみ,溝状をなす。花は穂状につき,萼は白色の五角形で深く切れ込み,内部に筒状で先端が5片に分かれ,萼の先へ広がった紅色の花弁がある。中心の4本のおしべと1本のめしべは,長く花外に突出し目だつ。花を観賞するため栽植されるクサギの仲間は多いが,ベニバナクサギC.foetidum Bungeは中国原産で花は淡紅色,耐寒性が比較的強い。クラリンドウC.nutans Wall.はインド原産で花穂は長く下垂し,大きな白色の花をつけ美しい。ヒギリC.japonicum Makinoはインド原産で日本へは300年ほど前に入り,栽培されている。高さ1~2mの落葉低木で花は緋赤色で美しい。いずれも繁殖は挿木により,用土は特に選ばないが排水のよい土が適する。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報