コーデュロイ(英語表記)corduroy

翻訳|corduroy

精選版 日本国語大辞典 「コーデュロイ」の意味・読み・例文・類語

コーデュロイ

〘名〙 (corduroy) 別珍(べっちん)一種。平織または綾織(あやおり)の地に、別の緯(よこいと)タオルのような輪を浮かせ、輪の中央を切断して添毛とし、ブラッシ掛けを行なって畝(うね)を整え仕上げたもの。経(たていと)方向に畝が走る。添毛のために摩擦に強く耐久性がある。ジャンパーズボン作業服、足袋表、はなお、椅子張地などに用いられる。コール天綿ビロード
女方(1957)〈三島由紀夫〉四「煉瓦いろのコーデュロイの上衣を着てゐる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「コーデュロイ」の意味・読み・例文・類語

コーデュロイ(corduroy)

表面けば立った縦畝たてうねのある丈夫な綿織物上着やズボンなどに用いる。コール天。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「コーデュロイ」の意味・わかりやすい解説

コーデュロイ
corduroy

綿ビロード織のものを縦にけば畝を通すためにカットした織物。縦畝をあらわすには経緯糸の地組織のほかに,もう一組の緯糸をある点で経糸におさえられるよう畳表のように織りつけ,織り上げたあと浮いた部分を毛立ちさせる。畝幅は10mmぐらいから1,2mmぐらいまで。畝の太いものを鬼コール,狭いものを細コールという。地厚で重いが丈夫で暖かいので,幅広く活用できる。無地が多いが柄物もあり,畝で織物の表面に陰ができ色にも深みがでる。ジャケット,スカートなどの日常着,子ども服,室内装飾品などに用いられるが,corduroysとsをつけると,この織物のズボンをさすほどズボンによく用いられる。一説によればフランス語のcorde du roi(王様の畝)に由来し,城の番人にこの織物の服を着せたことからこの名がついたといわれるが,フランスにはなく,イギリスで18世紀末から作られていたとする説もある。日本では明治末期に作られ,ビロード天鵞絨)に似たところからコール天と呼んだ。コール天には畝のあるものと,一般に広く用いられるものに平地コール天,上等なものに綾コール天などもある。また添毛織物の中には絹や合成繊維で柔らかな重量感をもつシフォンベルベット,綿ビロードで足袋や下駄の鼻緒に用いるべっちん(ベルベッティーン),綿,麻などで作った丈夫なモケットなどがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーデュロイ」の意味・わかりやすい解説

コーデュロイ
こーでゅろい
corduroy

ドイツ語ではgerippter Manchester、フランス語ではcorde du roiで「王様の畝(うね)」という意味。コール天ともいい、緯毛(よこげ)綿ビロードの一種で、経(たて)方向に畝のある織物。平織あるいは綾織(あやおり)の地の中に毛緯糸を織り込んだのち、経方向にナイフで切り毛足をそろえる。一般に無地染めされるが、最近では多彩な柄物もみられる。日本では、明治後期から静岡県の福田(ふくで)地方で生産が始まりしだいに盛んになっている。生地(きじ)が厚手で、耐久力があるため、実用衣料として子供服、作業服、ズボンなどに使われる。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「コーデュロイ」の意味・わかりやすい解説

コーデュロイ

コール天とも。綿ビロードの一種でうねビロードともいう。地組織は平織または綾織でパイルによって表面の縦方向に毛羽のうねを出す。摩擦に耐え堅牢(けんろう)なので男女とも日常着,作業服,ズボンなどにする。
→関連項目畝織ビロード輪奈織

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーデュロイ」の意味・わかりやすい解説

コーデュロイ

コール天」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android