コーニス(その他表記)cornice

翻訳|cornice

デジタル大辞泉 「コーニス」の意味・読み・例文・類語

コーニス(cornice)

古代ギリシャローマ建築オーダーで、エンタブラチュアの最上部水平材。軒蛇腹のきじゃばら

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精選版 日本国語大辞典 「コーニス」の意味・読み・例文・類語

コーニス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cornice ) 壁面を保護し、装飾役割をも果たすため、軒先に突出した帯状の水平部分。軒蛇腹
    1. [初出の実例]「利鎌のやうな残月が蛇腹(コルニイス)の端に落懸って居る」(出典青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)

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改訂新版 世界大百科事典 「コーニス」の意味・わかりやすい解説

コーニス
cornice

洋風建物の外壁上端,屋根庇の下,天井と壁の境などに置かれる水平の細長い突出部。蛇腹と訳される。通常,反転曲線面や角面などを組み合わせたモールディング刳形(くりがた))からなる。壁上端でなくても,建物の階境などに,水切り庇をかねてめぐらされることがある。コーニスのモールディングは,古典的建築では,オーダーごとにほぼその組合せ方や寸法比例が定まっていた。ミケランジェロ以後,モールディングを自由に彫刻的に扱う傾向が強まり,バロックの建築ではきわめて奔放なものとなる。現代建築では,水切りなどのための最小限のモールディングが残るだけとなったが,コーニスは建物のボリューム表現のために,やはり意匠上の重要なポイントと見なされている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーニス」の意味・わかりやすい解説

コーニス
cornice

建築用語。古典建築のエンタブラチュアの最上部に置かれる部材。建物を雨水から保護するために突出し,軒先の線を明確に形づくる役目を果す。現在では建物の最上部にあって壁面より突出した装飾的な水平帯をいうが,機能は古典建築と同じである。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「コーニス」の解説

コーニス【cornice】

➀洋風建築で、壁や軒(のき)の上部などに付けられた帯状の装飾。◇「蛇腹(じゃばら)」ともいい、取り付けられた位置によって「天井蛇腹」「軒蛇腹」などという。
➁ギリシャ・ローマ建築における、エンタブレチュア(梁(はり))の最上部の水平帯。

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世界大百科事典(旧版)内のコーニスの言及

【ギリシア美術】より

…それらは普通は3段の階段状基壇をもち,縦のフルーティング(溝彫)をつけた円柱を立てる。その上に桁に相当するアーキトレーブ(エピステュリオン),小壁に相当するフリーズ(ディアゾマ),壁面より突き出たコーニス(ゲイソン)をのせる。これら,柱の上にのる構造物全体をエンタブラチュアと呼ぶ。…

※「コーニス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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