出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
地歌(じうた)の曲名。大坂の峰崎勾当(みねざきこうとう)が天明(てんめい)・寛政(かんせい)期(1781~1801)に作曲。彼の門人であった宗右衛門町(そうえもんちょう)の松屋某の娘が早世したのを惜しみ、その追善につくったもので、残月は故人の法名の「残月信女」にちなんでつけられた。歌詞は故人を月に見立ててよみ、そのなかの「真如」は信女にかけたという。曲の途中に非常に長い手事(てごと)とよぶ器楽独奏部のある手事物の代表曲である。その手事は5段あり、初段と二段、三段と四段とを同時に合奏する段返しができる。原曲は三味線だけの伴奏であるが、のちに箏(こと)編曲や三曲編曲もつくられ、合奏される。
[平山けい子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…近世に東北地方に流布していた《清悦物語》では,海尊は不老長寿であったと伝えるところからすると,東北地方では,《義経記》と同材の物語が漂泊する語り手によって語られていて,早くから海尊自身の懺悔譚の傾向の強い語りがあったものと考えられている。《本朝神社考》《狗張子》《義経勲功記》などの近世の書物には,残夢あるいは残月と称する老翁が,不老長寿で源平合戦のことをよく知っていて,人々に話すので,尋ねてみると実は海尊であったとするものがあり,東北地方の地誌類にも同類の記事をときに見かける。これらの書物では,不老長寿の原因は枸杞(くこ),赤魚の肉,富士山の岩から湧出する飴のようなものを食したため,などとされ,ときには人羹(にんかん)魚の肉ともされる。…
※「残月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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