ゴルジ体(読み)ゴルジタイ(その他表記)Golgi body

翻訳|Golgi body

デジタル大辞泉 「ゴルジ体」の意味・読み・例文・類語

ゴルジ‐たい【ゴルジ体】

動植物細胞の中に存在する、粒状あるいは網状器官。細胞内の分泌物を合成したり、排出物を一時的に蓄えたりする機能をもつといわれる。1899年ゴルジ発見ゴルジ装置ゴルジ複合体

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精選版 日本国語大辞典 「ゴルジ体」の意味・読み・例文・類語

ゴルジ‐たい【ゴルジ体】

  1. 〘 名詞 〙 生物の細胞質内にみられる粒状または網状の小体イタリアの解剖学者C=ゴルジが発見。脊椎動物神経細胞や腸などの分泌細胞に多くみられ、分泌物や排出物の形成に関係すると考えられている。ゴルジ装置。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴルジ体」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ体 (ゴルジたい)
Golgi body

ゴルジ装置Golgi apparatus,ゴルジ複合体Golgi complexなどとも呼ばれる。ゴルジC.Golgi(1898)により発見された硝酸銀または酸化オスミウムOsO4によって染色される網状の細胞小器官。細胞内の膜流membrane flowの下流にあり,電子顕微鏡による観察では扁平な囊,球状小胞,大型液胞からなる細胞内膜系の複合体であり,その主たる機能は分泌である。肝細胞には約50のゴルジ複合体があって,細胞質容積の約2%を占める。小胞体結合のリボソームで合成される分泌タンパクは膜流にしたがって化学的な修飾をうけながら複合体に達し,濃縮された分泌顆粒(かりゆう)の形で細胞外に分泌される。
細胞
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百科事典マイペディア 「ゴルジ体」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ体【ゴルジたい】

ゴルジ装置とも。細胞質内にみられる小体。数枚の扁平胞とこれに付随する小胞からなり,ときに大きい液胞を伴う細胞内膜系の複合体。分泌活動や細胞外被形成の盛んな細胞によく発達しており,細胞の表層系の形成や分泌物の生成などがおもな機能である。
→関連項目ゴルジ細胞質真核生物

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栄養・生化学辞典 「ゴルジ体」の解説

ゴルジ体

 細胞内小器官の一つで,小胞体で膜タンパク質や分泌タンパク質が合成されたあとゴルジ体へと輸送され,ここで糖鎖の付加などのタンパク質の修飾,輸送経路への導入が行われる.その他,細胞内でのタンパク質の移動に重要な機能を果たす.脂質の二重層で囲まれた板状の構造が重層した構造をもち,方向性があり,小胞体からタンパク質が移動してくる面がシス側,その反対側がトランス側.膜の周辺から小胞が生成してゴルジ体を離脱する.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴルジ体」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ体
ゴルジたい
Golgi body

1883年 C.ゴルジにより発見された複雑な網状または粒状の細胞内構造。オスミウムまたは銀で染まる構造物として認められたが,電子顕微鏡により 1952年ダルトンが確認,動植物に分布する。構造は大きい空胞,扁平胞,小胞から成り,おもな部分は平行に並んだ2層の膜の集積である。分泌機能に密接に関係し,分泌物を含有して細胞膜まで運ぶと考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴルジ体」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ体
ごるじたい

ゴルジ装置

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世界大百科事典(旧版)内のゴルジ体の言及

【ゴルジ】より

…神経間のつながりは枝分れした神経末端どうしの吻合による網状体であると考えたのである。ほかに細胞学に影響を及ぼした研究としては,神経細胞の細胞質に,現在ゴルジ体と呼ばれる細胞内構造体を1898年に発見したことがあり,病理学では1885‐93年にマラリアの生活環と病理学的変化,発熱,治療効果の関係についての研究がある。【鬼頭 秀一】。…

【細胞】より

…また,真核細胞の著しい特徴は,細胞質の各種代謝機能が細胞質の部分構造と結びついて細胞小器官となり,分業化によって効率的に行われていることである。細胞小器官としてミトコンドリア,小胞体膜系と各種小胞ゴルジ体などがあり,植物細胞には葉緑体色素体,また,しばしば大きな液胞が発達していることなどは,原核細胞との大きな相違である。この相違は,真核細胞の起源を問題にするとき,説明されなければならない。…

【腺】より

…(1)タンパク質性の分泌物をつくる細胞 膵臓の外分泌細胞,唾液腺の漿液細胞,胃腺の主細胞などでは細胞質内に粗面小胞体がよく発達し,ここでタンパク質が合成されて,粗面小胞体の囊の中に蓄えられる。ついで粗面小胞体の一部がゴルジ体の近くで滑面の小さい膨らみをつくり,これがちぎれて輸送小胞となってゴルジ体に入る。したがって粗面小胞体の囊の中につくられたタンパク質は,ゴルジ体の中へ運ばれることになる。…

※「ゴルジ体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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