翻訳|Golgi body
ゴルジ装置Golgi apparatus,ゴルジ複合体Golgi complexなどとも呼ばれる。ゴルジC.Golgi(1898)により発見された硝酸銀または酸化オスミウムOsO4によって染色される網状の細胞小器官。細胞内の膜流membrane flowの下流にあり,電子顕微鏡による観察では扁平な囊,球状小胞,大型液胞からなる細胞内膜系の複合体であり,その主たる機能は分泌である。肝細胞には約50のゴルジ複合体があって,細胞質容積の約2%を占める。小胞体結合のリボソームで合成される分泌タンパクは膜流にしたがって化学的な修飾をうけながら複合体に達し,濃縮された分泌顆粒(かりゆう)の形で細胞外に分泌される。
→細胞
執筆者:腰原 英利
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…神経間のつながりは枝分れした神経末端どうしの吻合による網状体であると考えたのである。ほかに細胞学に影響を及ぼした研究としては,神経細胞の細胞質に,現在ゴルジ体と呼ばれる細胞内構造体を1898年に発見したことがあり,病理学では1885‐93年にマラリアの生活環と病理学的変化,発熱,治療効果の関係についての研究がある。【鬼頭 秀一】。…
…また,真核細胞の著しい特徴は,細胞質の各種代謝機能が細胞質の部分構造と結びついて細胞小器官となり,分業化によって効率的に行われていることである。細胞小器官としてミトコンドリア,小胞体膜系と各種小胞ゴルジ体などがあり,植物細胞には葉緑体や色素体,また,しばしば大きな液胞が発達していることなどは,原核細胞との大きな相違である。この相違は,真核細胞の起源を問題にするとき,説明されなければならない。…
…(1)タンパク質性の分泌物をつくる細胞 膵臓の外分泌細胞,唾液腺の漿液細胞,胃腺の主細胞などでは細胞質内に粗面小胞体がよく発達し,ここでタンパク質が合成されて,粗面小胞体の囊の中に蓄えられる。ついで粗面小胞体の一部がゴルジ体の近くで滑面の小さい膨らみをつくり,これがちぎれて輸送小胞となってゴルジ体に入る。したがって粗面小胞体の囊の中につくられたタンパク質は,ゴルジ体の中へ運ばれることになる。…
※「ゴルジ体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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