ゴルジ(その他表記)Camillo Golgi

デジタル大辞泉 「ゴルジ」の意味・読み・例文・類語

ゴルジ(Camillo Golgi)

[1843~1926]イタリアの解剖学者・病理学者。神経解剖学を研究神経組織の染色法を発明して、ゴルジ細胞(神経こう細胞)・ゴルジ体などを発見。神経組織の微細構造を解明した。1906年、ラモン=イ=カハルとともにノーベル生理学医学賞受賞

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精選版 日本国語大辞典 「ゴルジ」の意味・読み・例文・類語

ゴルジ

  1. ( Camillo Golgi カミロ━ ) イタリアの解剖学者。神経細胞を黒く染める方法(ゴルジ染色法)を考案し、ゴルジ体を発見した。一九〇六年ノーベル生理・医学賞を受賞。(一八四四‐一九二六

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴルジ」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ
Camillo Golgi
生没年:1843-1926

イタリアの組織学者,病理学者。パビア大学を卒業後,同大学の組織学と一般病理学の教授を歴任した。脳病理学に興味をもち,1873年には神経間の連関を探査するのに有効な,重クロム酸塩硝酸銀を用いる新染色法〈黒い染色〉を開発し,神経解剖学に一時代を画し,みずからもその手法で多大な成果を挙げ,1906年にはノーベル医学・生理学賞を受賞した。しかし,彼は自分の染色法に強く影響された共同受賞者のラモン・イ・カハールのニューロン説に反対し,網状説=吻合説を主張した。神経間のつながりは枝分れした神経末端どうしの吻合による網状体であると考えたのである。ほかに細胞学に影響を及ぼした研究としては,神経細胞の細胞質に,現在ゴルジ体と呼ばれる細胞内構造体を1898年に発見したことがあり,病理学では1885-93年にマラリアの生活環と病理学的変化,発熱,治療効果の関係についての研究がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴルジ」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ
ごるじ
Camillo Golgi
(1843―1926)

イタリアの解剖学者、病理学者。北イタリアのコルテノに医師の子として生まれ、パビア大学で医学を修め、1865年に卒業した。アビアテグラッソの病院医師、シエナ大学教授を経て、1881年パビア大学の病理学教授となり神経解剖学の研究を進めた。1873年に神経組織を硝酸銀によって染色する方法を開発し、この方法によって、ゴルジ細胞(神経膠(こう)細胞)、ゴルジ装置、ゴルジ小体などを次々に発見して、神経組織の微細構造を明らかにした。1906年には、その業績により、論敵ラモン・イ・カハルとともにノーベル医学生理学賞を贈られた。晩年には、マラリアの研究者、元老院議員としても活躍した。ゴルジ染色法は今日も高く評価され、頻繁に用いられている。

[澤野啓一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴルジ」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ
Golgi, Camillo

[生]1843/1844.7.9. コルテナ
[没]1926.1.21. パビア
イタリアの医師で神経学者。パビア大学教授。 1873年硝酸銀を使って神経細胞と神経線維を染める方法を案出した。これは神経系のより微細な構造探究の鍵となり,83年,軸索と枝分れした短い樹状突起で他の神経細胞と連絡している細胞 (ゴルジ細胞) を中枢神経系に発見した。この発見はのちにニューロン説を導き,近代神経学の基礎となった。組織学の業績のほかに,マラリアの研究でも有名で,四日熱と三日熱は病原の原虫が違うこと,マラリアの発作は,原虫の胞子分裂と時を同じくすること,病気の重さは血液中の原虫数に比例することなどを証明した。ペラグラと精神病についても重要な研究がある。神経系の構造を明らかにした業績で,スペインの S.カハルとともに 1906年のノーベル生理学・医学賞を受賞。

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百科事典マイペディア 「ゴルジ」の意味・わかりやすい解説

ゴルジ

イタリアの解剖学者。パビア大学に学び,のち同大学教授となる。硝酸銀を用いて神経組織を染色するゴルジ染色法を創案し,1906年ノーベル生理医学賞。脊髄のゴルジ細胞,細胞内のゴルジ体などに名を残している。
→関連項目ラモン・イ・カハル

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世界大百科事典(旧版)内のゴルジの言及

【ゴルジ体】より

…ゴルジ装置Golgi apparatus,ゴルジ複合体Golgi complexなどとも呼ばれる。ゴルジC.Golgi(1898)により発見された硝酸銀または酸化オスミウムOsO4によって染色される網状の細胞小器官。…

※「ゴルジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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