サイス(英語表記)Sais

改訂新版 世界大百科事典 「サイス」の意味・わかりやすい解説

サイス
Sais

エジプトナイル・デルタ西部の都市遺跡。現在名サー・アルハジャル。下エジプト第5ノモスの主都で,その主神ネイト。非常に古くから知られており,第24,26王朝サイス朝)においてはエジプトの首都として栄え,多くの神殿宮殿,墓所がみられる。古来ネイト神殿はヘリオポリスのアトゥム神殿,レトポリスのアヌビス神殿とともに,医療の中心をなしていた。この地の遺跡は近年急速にその姿を消し,有名な割には発掘の成果が少なく,出土品もほとんどが第26王朝のものである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイス」の意味・わかりやすい解説

サイス
Sais

ナイルデルタ地帯の西寄りに位置する古代エジプトの都市。現サエルハガル。王朝の成立する時代から下エジプトの中心であったが,前8世紀テフナクトはこの地を中心に第 24王朝を開きその後ネコ1世が王となってここを支配して第 26王朝 (サイス朝 ) を創立し,その子プサムティク1世がここを首都とした。神殿の壁の跡が現存し,また青銅でできた神像なども発掘されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「サイス」の解説

サイス
Sais

西デルタの下エジプト第5ノモスに位置。遺跡名はサ・エル・ハガル。エジプト末期王朝時代の第24,26王朝の王都が置かれた。第26王朝は復古的傾向が強く,この時期をサイス期と呼んでいる。この地の主神は,戦いの女神ネイト。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android