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サクランボ サクランボ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サクランボ
サクランボ

「セイヨウミザクラ (西洋実桜)」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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百科事典マイペディアの解説

サクランボ

オウトウ

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食の医学館の解説

さくらんぼ【サクランボ】

《栄養と働き&調理のポイント
 赤くて小さなハートの形、ほんのりとした甘酸(あまず)っぱさをもつ、サクランボは、初恋の味にたとえられます。国産の佐藤錦(さとうにしき)は、やや黄色がかったオレンジ色で適度に酸味があります。アメリカチェリーは濃い赤紫色で、甘みが強いのが特徴です。
○栄養成分としての働き
 サクランボ主成分は糖質で、ほかにカリウム、リンなどのミネラルビタミン類を含みます。量的には多くはありませんが、まんべんなく含んでいるため、疲労回復や美肌づくりに役立ちます。
 ジーン・パーカー著『食べる薬』によると、ダークチェリーのジュースは、歯垢(しこう)形成をうながす酵素の活動を抑え、むし歯を予防すると報告されています。またミシガン大学の研究で、アメリカ産のレッドチェリーには、アスピリンの10倍のパワーをもつ天然の抗炎症化合物シアニジンが含まれていることが判明しており、痛風、リウマチ、神経痛の痛みを抑えるといわれています。
 なお、国産のサクランボとアメリカ産では、カロリーやミネラルはアメリカ産のほうが多く、カロテン、ビタミンCは国産のほうが上回っています。
○漢方的な働き
 元気を補うくだものとされ、疲労回復や消化促進に効果があるとされます。
 葉の汁はやけど、根の煎(せん)じ汁は回虫や蟯虫(ぎょうちゅう)駆除に用いられます。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サクランボ
さくらんぼ / 桜坊
cherry

バラ科の落葉小高木。分類上は花を観賞するサクラとともにサクラ亜属Prunusに含まれるが、ミザクラ類の果樹の総称で、オウトウ(桜桃)ともいう。中国では桜桃のなかに、ユスラウメを含み、日本でも19世紀初期までは桜桃の字をユスラウメにあてていた。しかし今日では、桜桃はサクランボのみをさし、東アジア系、ヨーロッパ系、アメリカ系に区分される多数の種類を含んでいる。
〔1〕東アジア系 中国ではおもに果樹として用い、日本では早春の花を観賞する。低木で、開花期、熟期は早い。
(1)チュウゴクオウトウ(中国桜桃)P. pauciflora Bunge シナミザクラ(支那実桜)、カラミザクラ(唐実桜)ともいう。中国の中部から北部に広く分布する。多数のひこばえを出す。開花時にはまだ葉が開かない。果実は横径約1センチメートルの長扁円(へんえん)形で、紅色に黄色がかかる。果柄はやや短い。
(2)シロバナチュウゴクオウトウ(白花中国桜桃)P. pseudocerasus Lindl. シロバナカラミザクラ(白花唐実桜)ともいう。揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン)流域原産で、野生的なものが多い。花は白く、1花序に2~6花をつけ、開花時には葉も開いている。果実は径1~1.5センチメートルの球形で、多くは紅色であるが淡黄色もある。果柄はやや長い。染色体数2n=32。
〔2〕ヨーロッパ系 果樹用としては2種類ある。
(1)カンカオウトウ(甘果桜桃)sweet cherry/P. avium Lindl.セイヨウミザクラ(西洋実桜)ともいう。小アジア原産の直立性の高木。ヨーロッパ、アメリカ、日本などの栽培品種の基本種である。多くは自家不結実性である。果実は黄、赤から黒色まであり、径約2.5センチメートル、球形ないし心臓形で、5月下旬から7月上旬に熟す。果汁は甘い。マザードmazzardは本種の野生または栽培種の実生(みしょう)をさす。染色体数2n=16。次の2群に分けられる。(a)ハート群heart cherry/var. juliana (L.) Koch 果肉は柔らかく、濃紅色で果汁が有色のものと、淡色で果汁が無色のものとがある。(b)ビガロー群bigarreau cherry/var. duracina Bailey 果肉は硬く、果肉色と果汁色は前者と同様2種類ある。
(2)サンカオウトウ(酸果桜桃)sour cherry/P. cerasus L. スミノミザクラ(酸味実桜)ともいう。アジア西部からヨーロッパ南東部原産の低木。果実は小さく、果肉は柔らかく多汁であるが酸味が強く、主として加工用にする。染色体数2n=32。栽培品種の基本種の一つで、次の2群に分けられる。(a)アマレル群amarelles cherry/var. caproriana L. 小低木で果実は淡赤色。果汁は無色で酸味はやや少なく、生食用にもする。(b)モレロ群molello cherry/var. caproniana L. 小低木で叢生(そうせい)し、枝は垂れ下がる。果実は濃紫色で、果汁は有色で酸味が強い。果柄は長短の2種がある。
(3)カンカオウトウとサンカオウトウの雑種 いわゆるデューク群dukes/var. regalis Bailey として分けることもあるが、分類上は(1)や(2)に入れる場合もある。
(4)マハレブオウトウmahaleb cherry/P. mahaleb L. ヨーロッパの中・南部から西アジアにかけての原産。果実は暗赤色。矮性(わいせい)仕立て用の台木とする。
〔3〕アメリカ系 アメリカ大陸原産。オウトウ類の品種改良の素材として、また台木として利用され、一部では木材としての利用も多い。
(1)サンドオウトウsand cherry/P. pumila L. 台木とする。
(2)ウェスタン・サンドオウトウwestern sand cherry/P. besseyi Bailey パイに用いるほか、台木とする。とくに耐寒性や耐乾燥性をもった地方的品種の育成には本種とスモモとの雑種が利用されている。
(3)P. cuneata Raf. 寒地に生育し、木材とする。[飯塚宗夫]

栽培

ヨーロッパでの栽培は紀元前に始まり、1世紀には8品種の記録がある。16~17世紀になってからイギリス、フランス、ドイツなどで栽培が盛んになり、今日ではドイツが主生産国となっている。アメリカでは18世紀に栽培が始められ、ミシガン、カリフォルニア、ニューヨーク、オレゴン州などに多い。中国では3000余年前から栽培されていたことが『礼記(らいき)』(前1134)に記されていることからわかる。日本では1872~1873年(明治5~6)、北海道開拓使によるアメリカからの導入に始まり、1875年、勧業寮のフランスからの導入が続いた。収穫期に雨が少なく、夏は冷涼な地方に適し、今日では北海道や青森、秋田、山形、長野、山梨などの各県での栽培が多い。品種はおよそ1200種あるが、日本では中生(なかて)種の佐藤錦(さとうにしき)が70%を占める。果実は短心臓形で赤斑(せきはん)のある黄色である。6月下旬に熟す。同じく中生種の高砂(たかさご)Rockport Bigarreauも短心臓形で赤みを帯びた黄色で、6月中旬に熟す。偶発実生(実生から偶然にみいだされた)の蔵王錦(ざおうにしき)はナポレオンNapoleon Bigarreau(アメリカではRoyal Annとよぶ)との交雑親和で収量が多い。早生(わせ)種に日の出Early Purple Guigneがある。成園の植栽本数は10アール当り8~30本とする。2005年、全国で4280ヘクタール、1万9100トンの収穫がある。初夏に輸入されるサクランボは7000トン前後で主としてアメリカから入る。[飯塚宗夫]

利用

果実は少量のビタミン類を含むが、もっとも季節感に富む果物として尊ばれる。甘果桜桃は主として生食に用いられ、酸果桜桃は加工用とされるが、酸果桜桃のない日本では甘果桜桃も加工用とされる。加工品にはシロップ漬け、各種リキュール、乾果などがある。シロップ漬けは、80~85℃の湯に数分漬け、冷却して砂糖液に漬けたもので、赤色への染色は加熱中に行う。シロップ糖分は製品で20%ぐらいがよい。チェリーブランデーは、果実を2か月間ブランデーに漬け、砂糖を適量加えたものである。キルシュワッサーは、モレロ種の果実を用いたリキュールの一種である。焼酎(しょうちゅう)漬けは、果実400グラム、砂糖200グラムを焼酎1リットルに1か月以上漬けたものである。乾果はさらに加工されて、菓子やパイに利用される。砂糖漬け用やリキュール用には、マラスキノ・スタイル・チェリーmaraschino style cherry、ドレン・チェリーdrain cherry、クリスタル・チェリーcrystal cherryの3種がある。酸果桜桃の種子からは油をとり、化粧品やサラダ油とする。植物体の根や葉、花は薬用にも用い、材は家具材として利用する。東アジア系品種は観賞樹にもされる。[飯塚宗夫]

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