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サネカズラ Kadsura japonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サネカズラ
Kadsura japonica

マツブサ科の常緑つる性木本。ビナンカズラともいう。山地に自生するが,生垣や鉢植にもする。葉は厚く長さ5~10cmほどの楕円形で先がとがり,秋に紅葉する。花は夏に葉腋から長い柄で垂れ下がり,淡黄色で花弁は 10枚あまりもある。花後球形の赤い液果が頭状に集って美しい。成熟した果実を乾燥したものを強壮および鎮咳の薬にする。

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百科事典マイペディアの解説

サネカズラ

ビナンカズラとも。マツブサ科のつる性常緑樹。本州(関東以西)〜沖縄,東アジアの山地にはえる。葉は長楕円形で厚く,表面には光沢があり,裏面は紫色を帯びる。雌雄異株。8月,花は葉腋から垂れ下がって開き,径1.5cmほどで淡黄色。花被片9〜15枚,おしべめしべも多数あって球状に集まる。果実は赤く大きな丸い花托の表面につき秋に赤熟。庭木,生垣などとする。かつては樹皮の粘液整髪料に用い,美男葛の名はこのことによる。

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世界大百科事典 第2版の解説

サネカズラ【scarlet kadsura】

地面を匍匐(ほふく)したり灌木におおいかぶさったりするマツブサ科の常緑のつる性木本。つるのからまる様から,〈さねかずら〉は“逢う”や“来る”の枕詞である。学名Kadsuraは日本語の葛(かずら)よりついた。古くは茎を煮て得た粘液を整髪に用いたので美男葛の別名がある。 夏に黄白色の小さな花を葉腋(ようえき)から出す。多くは単性花,時に両性花をつける。秋に多数の赤い果実が果托について丸い集合果を形成する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サネカズラ
さねかずら
[学]Kadsura japonica (L.) Dunal

マツブサ科の常緑藤本(とうほん)(つる植物)。学名のKadsuraは日本語の葛(かずら)をとったものである。つるは径2センチメートルに達する。葉は互生し、楕円(だえん)形ですこし厚くて柔らかくつやがあり、裏面は紫色を帯びやすい。まばらに鋸歯(きょし)がある。夏、葉腋(ようえき)に径1~2センチメートルの淡黄白色の花をつける。雌雄異花でそれぞれ雌しべ、雄しべが多数ある。果実は集合果で、肉質の果托(かたく)に球形の赤い液果が多数つき、全体として球形で美しい。濃緑色の葉と赤い実との対照が好まれ、庭園に植えたり生け垣にしたりする。山野に普通にみられ、本州から沖縄、および韓国の済州島、中国大陸南部の暖帯、台湾に分布する。『万葉集』にも詠まれ、古くからある植物である。樹皮に多量の粘液物質を含み、それを湯で抽出して整髪料に用いたのでビナンカズラ(美男葛)の別名がある。果実を干して滋養強壮や鎮咳(ちんがい)の漢方薬とし、南五味子(みなみごみし)と称しているが、南五味子をとるのは本来は同属の植物で、中国産の別種K. longipedunculata Finet et Gagnapである。[植田邦彦]

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世界大百科事典内のサネカズラの言及

【カズラ(蔓∥葛)】より

…つる草の総称。ヒカゲノカズラ,テイカカズラ,スイカズラ,サネカズラなどはその例である。上代つる草を髪に結んだり,巻きつけたりして頭の飾りとし,これを鬘(かずら)といった。…

※「サネカズラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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