サモラ(英語表記)Zamora

デジタル大辞泉 「サモラ」の意味・読み・例文・類語

サモラ(Zamora)

スペイン北西部、カスティーリャ‐レオン州の都市。ポルトガルとの国境に近く、ドゥエロ川沿いに位置する。レコンキスタの時代は戦略的要地として、イスラム教徒キリスト教徒の間で攻防が繰り返された。旧市街には12世紀のロマネスク様式の大聖堂をはじめ、歴史的建造物が数多く残っている。サモーラ。

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改訂新版 世界大百科事典 「サモラ」の意味・わかりやすい解説

サモラ
Zamora

スペイン北西部,レオン地方の都市で,同名県の県都。人口5万4000(1980)。しばしばキリスト教徒とイスラム教徒の攻防戦の舞台となり,その一つが史詩わがシッドの歌》に歌われる。11~12世紀の市壁が残り,ドゥエロ川にかかる橋は13世紀にさかのぼる。大きな塔を前面にもつ大聖堂(12世紀。頭部は15世紀のゴシック様式)を筆頭に,多くのロマネスク建築を見る。大聖堂やマグダレナ教会ファサード,大聖堂交差部の葱花(そうか)状採光塔(サラマンカ大聖堂の塔の手本となる)は,フランス南西部アキテーヌ地方様式に属する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サモラ」の意味・わかりやすい解説

サモラ
Zamora

スペイン北西部,カスティリア・レオン自治州サモラ県の県都。ドーロ川に面する。かつてのレオン王国の主要都市で,国土回復運動の初期には,戦略上の拠点となった。イベリア半島を横断,縦断する鉄道が交差する。ワインコムギなどの農産物やその加工品を集散し,毛・綿織物を産する。砦(8世紀),ロマネスク様式の大聖堂(12世紀),アーチ橋(14世紀)などがある。人口 6万6002(2006推計)。

サモラ
Zamora

正式名称はサモラデイダルゴ Zamora de Hidalgo。メキシコ南西部,ミチョアカン州北西部の都市。メキシコ市の西北西約 320km,メキシコ高原南西端部のサモラ谷にあり,標高約 1560m。 1540年インディオに対するスペイン人の防衛基地として建設された。現在周辺の農牧地帯の商工業中心地で,トウモロコシ,小麦,豆類,果実,野菜,家畜などを集散し,乳製品キャンデーなどを製造する。また肩掛け,宝飾品,陶器,サンダルなどの手工芸品の生産も盛ん。メキシコ市からグアダラハラにいたる幹線道路が通る。人口 14万 5079 (1990推計) 。

サモラ
Zamora

エクアドル南端部,サモラチンチペ州の州都。クエンカの南約 130km,アンデスのサモラ山脈南東麓,アマゾン川水系サモラ川の南岸にある。伝道所を中心とした集落で,住民の大半はインディオ。この地方の交易中心地となっており,物資はおもに物々交換によって取引される。西北西約 30kmのロハから道路が通じる。人口 8048 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サモラ」の意味・わかりやすい解説

サモラ
さもら
Zamora

スペイン北西部、レオン地方サモラ県の県都。人口6万4845(2001)。北部メセタ(イベリア半島中央部の広大な台地)を西流するドゥエロ川(ドーロ川)右岸の標高649メートルに位置する。農産物の取引中心地。ローマ起源の都市であるが戦略上の要地であったので、8世紀にイスラム教徒が占領したあとキリスト教徒との間で支配者がしばしば交代し、包囲戦や築城も行われた。最終的にイスラム教徒が撤退したのは11世紀である。中世の城壁の一部と、その北端には城門が残り、12世紀ロマネスク様式の教会など、歴史的建造物が多い。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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