サワラ
《栄養と働き&調理のポイント》
サワラは成長とともに名前がかわり、40cmくらいを関西・四国・九州では「サゴシ」、関東では「サゴチ」と呼びます。サワラは成長すると細長い形で全長1mにもなる大型魚。旬(しゅん)は10月から3月くらいまで、4月になると子をもつので味が落ちます。
駿河湾(するがわん)や西伊豆(にしいず)で秋にとれたサワラを「秋ザワラ」、冬にとれたものを「寒ザワラ」と呼んだりします。
○栄養成分としての働き
サワラは、カリウムが豊富に含まれているのがポイント。カリウムは塩分の弊害をカバーし、血圧を下げる効果があるため、高血圧を予防します。また心臓機能や筋肉機能の働きを助け、調整します。
ビタミンB2、Dも含まれています。B2は、粘膜(ねんまく)を保護し、健康な皮膚や髪、爪をつくり、成長をうながします。また、口内炎(こうないえん)や口角炎(こうかくえん)、目の充血といった症状や、肌荒れにも有効。さらに過酸化脂質を分解して動脈硬化、高血圧、脳卒中(のうそっちゅう)などの予防に役立ちます。
ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を高めます。
新鮮なサワラは刺身にできますが、寄生虫がいることがあるので、要注意です。塩焼き、照り焼き、ホイル焼き、蒸しもの、ムニエル、フライなどの料理に適しています。
出典 小学館食の医学館について 情報
サワラ
スズキ目サバ科サワラ属に属する海産魚の総称,またはそのうちの1種を指す。サワラの名はこの仲間の腹部が狭いという意の狭腹(さはら)に由来するといわれる。また,しゅんが春なので,魚偏に春をつけ鰆(さわら)と書くようになったという。英名はSpanish mackerelなどといわれ,マグロに近い美味な魚とされる。日本近海にはサワラScomberomorus niphonius(イラスト),ヨコシマサワラS.commerson,ウシサワラS.sinensisの3種がいる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
サワラ
Scomberomorus niphonius
スズキ目サバ科の海水魚。体は側扁し,かつやや細長い。全長 1m内外。第1,2背鰭をもち,そのうしろに8~9個の離れ鰭がある。側線は波状。体は上方が鉛色,下方は白色で,体側に6列ほどに並んだ暗色の斑点がある。おもに沿岸域の表層にすみ,春から初夏にかけて内湾で産卵する。北海道から南日本,オーストラリアにかけて分布する。近縁種に,歯に細かい鋸歯のあるヨコシマサワラ S. commersonや,体後半に2列に並んだ斑紋をもち,全長 2mに近い大型のウシサワラ S. sinensisなどがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
サワラ
[Scomberomorus niphonius].スズキ目サバ科サワラ属の1mになる海産魚.食用にする.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報