翻訳|Santa Claus
Santa Klausとも書く。4世紀に小アジアのミュラの司教であったニコラウスに由来し,聖ニコラウスを意味するオランダ語のSint KlaesまたはSinterklaasが英語でなまってサンタ・クロース(正しくはサンタ・クローズ)となった。ニコラウスの祝日(聖ニコラウスの日)は12月6日で,ヨーロッパ,とくにドイツ,スイス,オランダではその前夜は子どもが楽しみにする贈物の日である。日が暮れると,子どもを中心に家族一同が待つところへ,司教ニコラウスに扮した者が下僕ルプレヒトKnecht Ruprechtを従えて現れる。良い子には背負った袋からほうびのプレゼント,悪い子は訓戒のあと,改心の実ありと認められて,やはりなにかもらえる。伝説によると,ニコラウスは子ども好きで慈悲深く,あるとき貧しい3人の娘に,嫁入時の持参金としてそれぞれに金貨入りの財布を夜中に部屋に投げ入れてやったという。アメリカへはニューアムステルダム(現在のニューヨーク)に移住したオランダ系プロテスタントが伝え,クリスマス・プレゼントをする既存の習慣と習合した。現在ではたぶんに俗化され,トナカイの引くそりに乗り,クリスマス・イブに煙突から家に入り,子どものつるした靴下に贈物を入れてやる,白ひげ,赤服,赤ずきん,長靴ばきの好々爺とされる。
サンタ・クロースはイギリスではファーザー・クリスマスFather Christmasと呼ばれ,ドイツ語のWeihnachtsmann,フランス語のPère Noël,Bonhomme Noëlがこれに当たる。
→クリスマス
執筆者:戸川 敬一
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…ゼウスはクレタ島イデ山の雌ヤギあるいはニンフのアマルテイアの乳で養われた。サンタ・クロースとして広く親しまれる聖ニコラウスは,乳児のころ,キリストがユダに裏切られた水曜日と十字架にかけられた金曜日には,母の乳房を1度しか吸わなかったと,《黄金伝説》には説かれている。粘土からつくられたエンキドゥは野獣の乳で育ち勇猛だった(《ギルガメシュ叙事詩》)。…
…祝日は12月6日で,古くは,その前夜に子どもたちに贈物を届けるとされていた。これがオランダを介してアメリカに伝わり,サンタ・クロースの伝説となった。船乗り,婦人,子ども,ロシアなどの守護聖人。…
※「サンタクロース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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