マレーシア,ボルネオ島北東部,サバ州第2の都市。人口27万7000(2000)の3/4は広東系華人で,小ホンコンの異名をもつ。北側に山地を背負う幅の狭い海岸低地に成立した町で,現市街地の大部分は埋立地上にあり,第2次大戦で焼失した町並みをつくりかえたものである。州第1の港町として木材,ココヤシ,水産物の積出しで栄えてきたが,近年,輸出入額は州都コタ・キナバルに追い抜かれようとしている。しかし,かつては陸上交通が不便で,州内主要都市とは海・空路で結ばれるだけであったが,コタ・キナバルへ至る道路が完成し,内陸へ後背地を拡大する可能性が大きくなった。第2次大戦前は日本人が多数居住し,商業などにたずさわっていた。〈からゆきさん〉にまつわる悲話も多かった。
執筆者:太田 勇
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マレーシア東部、サバ州(北ボルネオ)東岸の港市。人口約20万6800(2001推計)。サンダカン湾の北岸に位置し、スル海に臨む。港内の水深は深く天然の良港をなし、旧イギリス領時代はその北ボルネオ植民地の首都でもあった。第二次世界大戦では戦火を被ったが、戦後は完全に復興した。ことに後背地には広大な森林地帯を控えるので、近年は日本向け木材の積出し港として繁栄し、「ミニ香港(ホンコン)」ともよばれている。華僑(かきょう)の居住も多い。25キロメートル離れた郊外のセピロックの森は世界最大のオランウータンの生息地として有名である。山崎朋子(ともこ)原作の『サンダカン八番娼館(しょうかん)』の舞台としても知られている。コタ・キナバルからマレーシア航空が就航している。
[別技篤彦]
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